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トランプ米政権はこのほど、「温室効果ガスの増加が国民の健康や福祉を脅かす」とした、オバマ政権以降の政府解釈を撤回する方針を発表しました。

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トランプ政権は3月、わずか1日で気候変動関連など31件に上る大規模な規制緩和計画を発表しました。今回の方針もその一環です。

対象となるのは「危険認定」と呼ばれる政府解釈で、温室効果ガスの排出を規制する根拠となっているものです。最高裁が2007年、「米環境保護局(EPA)には、大気浄化法に基づき、温室効果ガスを規制する法的義務がある」とする判決を下しました。それを受けてEPAは、オバマ政権下の2009年、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスに対し、「国民の健康と福祉を脅かす」と危険性を認定したという経緯があります。

この危険認定をもとに、例えばバイデン前政権は、電気自動車(EV)を義務化するなどしてきました。本認定の撤回が最終決定されれば、自動車をはじめ、工場や発電所などに対する排出規制の根拠が無効となります。

EPAのゼルディン長官は「オバマ政権とバイデン政権のEPAは自分たちの目的を達成するために、法律をねじ曲げ、前例を無視し、科学を歪曲し、アメリカの家庭に毎年数千億ドルもの"隠れた税金"を課してきた」「もし最終決定されれば、危険認定とそれに伴う規制の撤回により、企業と家庭に課せられた1兆ドル以上の隠れた税金がなくなるだろう」と語っています。

このトランプ政権の方針には、賛同の声が多く上がっています。アメリカトラック協会のクリス・スピア会長兼CEOは、「(バイデン政権の)電気トラック義務化は、トラック業界を経済的破滅への道へと導き、サプライチェーンを麻痺させ、配達を混乱させ、家庭や企業の価格を上昇させようとしてきた。(中略)私たちを常識の道に戻してくれたトランプ政権に感謝します」と述べています。

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