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韓国で、中国製の監視カメラが「韓国製」と偽って軍や警察などに納入されていたことが大きな問題となっています。撮影された映像情報は中国のサーバーに転送される設定になっており、7日に公表された資料によると、これまでに国家機関に納入された中国製のカメラが3万台近くあることが明らかになりました。

《詳細》

問題となった監視カメラは訓練中の部隊や基地の境界フェンスを監視するために設置されており、韓国企業が「韓国製」として納入していました。ところが、韓国製だったのは外装のみで、カメラの中身は中国製だったのです。

しかも、カメラがインターネットに接続された場合、データが中国にリアルタイムで転送される設定が行われていたことが分かりました。韓国軍は、監視カメラを内部ネットワークだけで運用しているため、流出はなかったとしつつ、該当するカメラ1300台の撤去を進めています。

その後、韓国警察庁にも中国製の防犯カメラが設置されていることが発覚。中央警察学校や地方の警察庁などと合わせて760台のカメラが設置されており、中には産業スパイを取り締まる部門の事務室に設置されていた例もありました。

7日に、与党「国民の力」のパク・チュングオン議員が放送通信委員会から提出を受けて公開した資料によれば、過去3年間で「国内製」と偽って納入されたのは中国企業「浙江大華技術(ダーファ)」社が製造した監視カメラで、計2万9962台に上ります。韓国政府は、納入した企業に対して法的措置を検討しているといいます。

納入先の中には、「原子力研究院」や「基礎科学研究院」なども含まれており、原子力や技術情報の流出が懸念されています。

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