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アフリカ53カ国の首脳らが中国・北京に集まり、「中国アフリカ協力フォーラム」首脳会議が4日~6日の日程で開催されています。

《詳細》

同会議は、3年に1度、中国とアフリカで交互に開催されています。北京で各国首脳が顔を合わせるのは2018年以来となります。

劉豫錫・中国政府アフリカ事務特別代表によると、今回の会議は、中国が近年開催した中で最大規模かつ最多の外国首脳が出席する外交行事になったといいます。多くのアフリカ諸国の首脳やアフリカ連合委員会委員長が代表団を率いて出席しているほか、国連事務総長や関連する国際機関の関係者も出席しています(4日付人民網日本語版)。

中国の習近平国家主席は5日の開幕式の基調講演で、中国とアフリカの関係は歴史上「最高」であると述べ、アフリカ諸国との二国間関係を「戦略関係のレベル」に引き上げることを提案しました。そして中国はアフリカ諸国と協力し、南半球に「新たな近代化の波」を起こすと表明。そのために、市場を開放し、アフリカの後発開発途上国33カ国にゼロ関税待遇を与えること、今後3年間で2100億元の融資と800億元の援助を含む総額3600億元(約7兆2800億円)規模の財政支援を行うこと、軍事援助と訓練を提供することなど、10項目を提案しました(5日付サウスチャイナモーニングポスト)。

中国は、15年連続でアフリカ最大の貿易相手国となっています。2000年に116億7000万ドル(約1兆6793億円)だった中国とアフリカ間の貿易総額は、23年には2821億ドル(約40兆5941億円)に増加しており、今年1月から7月の貿易総額も過去最高を更新しました。アフリカ各国の対中輸出の約9割は原油、鉄鉱石、銅などの資源です。

また中国は、経済圏構想「一帯一路」に沿って、2000年から23年の間に、アフリカ諸国に1823億ドル(約27兆円)の融資を行っており、これら融資は湾港や鉄道、高速道路、水力発電ダムなどの大規模プロジェクトに充てられています。

一方で、南アフリカのラマポーザ大統領は、2日に習主席と会談した際、中国の「一帯一路」に固くコミットし続けるとした上で、「私たちの二国間の貿易には増加が見られましたが、南アフリカとしては貿易赤字を縮小し、貿易構造の改善に取り組みたいと考えています。(中略)より持続的な製造業と雇用創出への投資を強く求めます」と語り、貿易均衡を求めていました。

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