《ニュース》

太平洋の島しょ国やオーストラリアなどの18カ国・地域で構成される太平洋諸島フォーラム(PIF)首脳会議がトンガの首都ヌクアロファで開催され、8月30日、オーストラリアが主導する「太平洋警察構想」を盛り込んだ首脳声明を採択して、閉幕しました。ロイター通信などが報じています。

《詳細》

アルバニージー豪首相が8月28日に提案した「太平洋警察構想」は、危機が発生した際に出動する多国籍の警察部隊を創設することや、島しょ国に警察訓練センターを設置して警察官の対応力を強化することが柱となっています。オーストラリアは、同構想の初期費用として、今後5年間で4億豪ドル(約390億円)を拠出するとしています。

この構想は、台湾と断交の後、警察任務で中国と協力協定を締結するなどして、対中傾斜を強めているソロモン諸島も支持しました。ただしソロモンの外相は、AFPの取材に対し、「オーストラリアで訓練を受けた我が国の警察官が、中国の警察で訓練を受けることを許さないといった条件を課しているのが気がかりだ」と、懸念も示しています。

こうした消極的な国々に対してオーストラリアは、各国の同構想への関与の度合いに一定の裁量を与えることで、承認にこぎつけたようです。

また、オーストラリアは、今回の会議に合わせ、同じ島しょ国のツバルとの2国間協定の発効を発表。ツバルは太平洋地域で台湾との外交を維持する3カ国のうちの1つです(残りはパラオ、マーシャル諸島)。協定は、ツバルが第三国と安全保障協定を結ぶ前にオーストラリアと合意することを求める一方、ツバルが軍事侵略や自然災害の被害を受けた際にはオーストラリアが支援することや海面上昇に苦しむ国民をオーストラリアで受け入れることなどが含まれています。

《どう見るか》