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トランプ前政権で国家安全保障担当大統領補佐官を務めたロバート・オブライエン氏の寄稿が、18日発行の米誌フォーリン・アフェアーズ(電子版)に掲載されました。

トランプ氏が11月の大統領選で再選した場合の外交政策について検証しており、「中国との争いほど、トランプ流の力による平和の復活が切実に求められているところはどこにもない」と指摘しています。

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オブライエン氏は寄稿の中で、トランプ氏は大統領時代、「力による平和」を達成すると約束し、その約束を果たしたと指摘。しかもトランプ氏は明らかに「紛争の調停者」だったと述べています。

トランプ政権最後の16カ月だけでも、「アブラハム合意」を進め、イスラエルと中東の3つの隣国(アラブ首長国連邦、バーレーン、モロッコ)、スーダンに平和をもたらしたなどと説明しました(※アブラハム合意のもと、イスラエルとアラブ首長国連邦など一部のアラブの国は国交を正常化させた)。イスラム国(ISIS)を一掃し、指導者(バグダディ容疑者)の急襲にも成功。珍しく、アメリカの勝利で1つの戦争を終わらせています。

トランプ政権下では、ロシアもイランも北朝鮮も新たな軍事的行動を見せませんでした。中国は攻撃的な姿勢を維持し続けたものの、2017年にシリアのアサド政権が自国民に対して化学兵器を使用した後、トランプ氏がシリアへの空爆を命じたことで、中国首脳部はトランプ氏がレッドライン(越えてはいけない一線)を設けていることを確かに認識したと、オブライエン氏は指摘しています。

オブライエン氏は、トランプ政権が2期目に入った場合、「ワシントンの友好国はより安全で自立した立場になり、敵国は再びアメリカの力を恐れるようになる。アメリカは強くなり、平和が訪れるだろう」と記しています。

特に中国については、「中国がアメリカの経済力と軍事力を弱めようとしているのだから、アメリカは冷戦時代にソ連経済を弱体化させたときのように、お返しをするべきだ」と指摘。トランプ氏が主張するように中国製品に60%の関税を課し、中国にとって役立つ可能性のある技術に対して輸出規制を強化するなど、「さらに圧力を加えるべき」と述べました。また米海軍が保有する空母1隻を大西洋から太平洋に移動させ、中東や北アフリカで任務にあたっている米海兵隊を太平洋に派遣することなども提案しています。

トランプ氏はSNS「トゥルース・ソーシャル」に同寄稿のURLを投稿し、自身の支持者らに広めています。

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