《ニュース》
会計検査院の調査で、マイナンバーシステムが提供する機能のうち、39%は全く使われていなかったことが分かりました。
《詳細》
会計検査院は、これまでの調査の中で、生活保護業務に関係してマイナンバー情報照会が全く実施されていなかった事態が見受けられたことから、マイナンバーシステムの利用実態の調査を行いました。
15日に発表された結果では、システムが提供する1258機能のうち、39%に当たる485機能は全く使われていないことが分かりました。また、全国約1800の自治体のうち半数以上が活用したのは年金申請など33機能(3%)にとどまり、1割未満の自治体しか使っていない機能も、約52%の649機能に及んでいます。
機能を使っていない理由として、「照会結果が返ってくるまで数日掛かるため、事務処理が停滞する」「世帯単位で照会ができず、手間がかかる」「必要な添付書類は、申請する人が常時携行しているものなので、現物を提示してもらったりした方が早く確実で効率的」など、マイナンバーシステムでかえって事務作業が増えるという声が集まりました。
例えば、国民健康保険への切り替え手続きの資格確認は、マイナンバーをあまり利用していない自治体の9割以上が「最新の情報が得られない」としています。企業が、従業員の健康保険の脱退の情報を登録するまでに2週間以上かかる例も1~2割あり、システム内の情報が最新ではない場合があるため、書類を提出してもらうほうが効率的といいます。
他にも、エラーが出て情報を入手できず、申請者に紙での提出を求め直す例があることや、手続き数が少ないため、処理方法を見直してまでマイナンバーを利用する必要性が乏しいこと、普段使っている端末ではない専用の端末にその都度ログインしなければならず、手間がかかることなどが挙げられています。
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