アジア太平洋交流学会会長・目白大学大学院講師
澁谷 司
(しぶや・つかさ)1953年、東京生まれ。東京外国語大学中国語学科卒。東京外国語大学大学院「地域研究」研究科修了。関東学院大学、亜細亜大学、青山学院大学、東京外国語大学などで非常勤講師を歴任。2004年夏~05年夏にかけて台湾の明道管理学院(現・明道大学)で教鞭をとる。11年4月~14年3月まで拓殖大学海外事情研究所附属華僑研究センター長。20年3月まで、拓殖大学海外事情研究所教授。著書に『人が死滅する中国汚染大陸 超複合汚染の恐怖』(経済界)、『2017年から始まる! 「砂上の中華帝国」大崩壊』(電波社)など。
アメリカは、「中国とロシアがますます緊密な関係を築くにつれて西側の結束に挑戦し、最終的に世界のパワーバランスを変えようとするのではないか」と危惧している(*1)。
米インド太平洋軍司令官アキリーノ提督は3月21日、公聴会で下院軍事委員会のメンバーに対し次のように語った。
「北京とモスクワの関係の進展は、現在の環境下、私の40年間の勤務の中で"最も危険な状況"となっている。(中略)ウクライナ戦争で使用された武器をロシアに供給しようとしている北朝鮮やイランとの協力拡大の兆候は、世界的な懸念だ」
そこでアキリーノは、中国、ロシア、北朝鮮、イランの関係を、初期段階にある"悪の枢軸"と表現している。さらに中国の軍事力が「より攻撃的に、より大胆に」なり、北京の関心がいつも台湾に向けられていると指摘した。
(*1) 2024年3月20日付『中国瞭望』
中国に台湾を攻める能力が本当にあるのか?
さて、アメリカの将軍が2027年までに中国共産党が台湾を武力攻撃する能力を持つと予測したため、中台戦争についての議論が高まっている(*2)。