《ニュース》

露大統領選で通算5選を果たしたプーチン大統領は18日夜、首都モスクワ中心部の「赤の広場」で開かれたクリミア半島併合10年の記念イベントに参加し、ウクライナ東・南部4州(ドネツク、ルハンスク、ザポリッジャ、ヘルソン)のロシアへの併合の正当性を訴えました。

《詳細》

会場のステージに、プーチン氏が大統領選に立候補した他の野党政治家3人とともに登壇すると、数万人の参加者で埋まった会場から「ロシア」コールが沸き起こりました。

プーチン氏は演説で、「クリミアは戦略的に重要な領土であるだけでなく、私たちの歴史、伝統、ロシアの誇りでもある。なによりも人々だ」「彼らは何十年も祖国を信じ、ロシアから離れたことはなかった。だから我々の家族の一員に戻れた」と話し、クリミア併合について「母港への帰還」と語りました。

2022年9月に併合を宣言したウクライナ東・南部4州については、「祖国への道は、より困難で悲劇的だったが、我々はそれを成し遂げた。我が国の歴史の偉大な出来事だ」と指摘。そしてロシア南部のロストフ州からドネツクやマウリポリに延びる鉄道を復旧させ、クリミア半島南西部の軍港都市セバストポリまで路線を延伸する計画だと述べました。

今回の大統領選は、ウクライナ東・南部4州やクリミアでも投票が実施されたため、ウクライナや欧米からは非難の声が上がっていました。また、「今後、ドネツク、ルハンスクなどの4州はインフラ整備や教育などを通じて『ロシア化』されていく」との批判の声も出ています。

2014年3月にクリミアで行われたロシアへの編入の是非に関する住民投票でも、2022年9月にウクライナ4州で行われた同様の住民投票でも、ロシアへの併合に賛成票を投じた人は9割を超えました。少なくとも地域住民の多くは「ロシアへの併合」を望んでいたと言えます。

《どう見るか》