《本記事のポイント》

  • フランシスコ教皇の社会的正義は「モーセの十戒」に反する
  • 社会主義者に支配されて没落
  • 省庁の半減・法律の廃止で規制緩和を目指す

「国家が、私たちに何をすべきかを命令しない国を造る。働くことを拒否する者は給料をもらえない。貧困から抜け出す唯一の方法は、自由を通してだ!」「(何もしなければ)国家は、年率15,000%のインフレに直面する。これを根絶するために徹底的に戦うことになる」

こう就任演説で語ったのは、アルゼンチンの新大統領のハビエル・ミレイ氏。

アルゼンチンの大統領選で勝利し、11月に大統領に選出され、12月12日に就任した。

祝電を送ったトランプ氏は、ミレイ氏を訪問すると約束している。

ミレイ氏は、サッカー選手であり、ロック・スターでもある。そして筋金入りのリバタリアン(自由主義)の経済学者で、政界の経験は2年と浅い。異色を放つ完全なアウトサイダーである。そして、全米税制改革協議会のグローバー・ノーキスト氏の「納税者保護誓約書」に署名もしていることでも知られている(関連記事「『大きな政府』に抵抗せよ」)。

米紙ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポスト、英紙フィナンシャル・タイムズやエコノミスト誌などは、ミレイ氏についてヒトラーと同じで「民主主義にとって危険人物」だとレッテルを貼ってきた。

例えば、エコノミスト誌が行ったインタビューで、中華人民共和国(PRC)について尋ねられると、ミレイ氏は、「PRCは私が同盟国を決める条件を満たしていない。それは自由、民主、平和だ」と述べている。

ヒトラーにとって「自由」という言葉が「語彙」になかったのと同様、習氏にも「自由」という語彙はない。まさにそこに対決する哲学を持つミレイ氏だが、それでもマスコミが「危険人物」と看做すのは、反エスタブリシュメント的側面を嗅ぎ取ってのことかもしれない。

約1世紀にわたる壮大な社会主義の実験が行われたアルゼンチンで、国民は疲弊し、貧困率が高まった。民意は選挙を通し、社会主義との決別を示したことになる。

フランシスコ教皇の社会的正義は「モーセの十戒」に反する

ミレイ氏の哲学は、保守派の政治コメンテーターのタッカー・カールソン氏によるインタビューに端的に表れているので、その一部を紹介しよう。

例えば、現フランシスコ・ローマ教皇はアルゼンチンのブエノスアイレス出身だ。そこでカールソン氏がカトリックの信仰心を持つミレイ氏にフランシスコ教皇について水を向けると、以下のように問題を指摘した。