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15日に行われる米中首脳会談に向けて、バイデン米政権は中国との衝突を回避すべく、対話を強化する方向で動いています。

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これまでバイデン政権は、中国との偶発的な衝突を避けるため、同国との首脳会談の開催を強く求めてきました。しかし、昨年8月にペロシ米下院議長(当時)が台湾を訪問したことを受け、中国側は軍同士の対話を打ち切り、今年初めには中国の偵察気球がアメリカ上空の領空侵犯をするなど、開催の機運は遠のいていました。

その後、同政権は、米サンフランシスコで今月15日から開かれるアジア太平洋経済協力機構(APEC)に合わせて、改めて米中首脳会談の実現に意欲を示しています。この機会を逃したまま来年の大統領選に本格突入すれば、対中強硬派が多い共和党との争いの中で、中国との対話が難しくなるためだと見られています。

政権が対話を求める背景には、「ロシア・ウクライナ戦争」と「パレスチナ・ガザ地区での戦闘」もあり、そこに中国を含めた「三正面作戦」を回避したい狙いもあるとされています。また、国内経済のふるわない中国側としても、アメリカとの関係を「自らが管理している」とアピールし、国内での権威をさらに高めたい思惑があると見られています。

首脳会談では中東情勢について協議する見通しで、特にイランに影響力を及ぼすよう、中国に働きかける可能性もあるといいます。一方で、台湾については平行線をたどるという懸念もあります。

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