《ニュース》
従業員の給与を一定以上の割合で増やした企業の法人税を優遇する「賃上げ促進税制」をめぐり、政府は新たに、大企業について、その要件に「5%以上の賃上げ」を加える方向で検討していることが明らかになりました。
《詳細》
現行の制度では、給与などの支給総額が前年度比で3%以上増えれば、給与増加額の15%を税額控除し、4%以上なら増加額の25%を控除することになっています。今回、ここに新たに「5%以上」の要件を追加する案が、政府・与党内で浮上しているということです(11日付産経新聞朝刊)。一方で、賃上げ率が3%台の場合は、税控除を縮小・廃止する案も出ているといいます(11日付毎日新聞朝刊)。
また、同制度では、中小企業の税控除はそれぞれ「1.5%以上」「2.5%以上」を要件としていますが、大企業ほどの賃上げ余力は見込めないとして、別の枠組みを新たに設けて賃上げを促進する方策を考えるといいます。
そのほか、子育て支援に積極的な企業については控除額を大幅に引き上げて優遇することなども検討されています。
政府は、物価上昇を上回る賃上げを促したい考えで、年末にかけての2024年度税制改正議論で、具体化を図るといいます。
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