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米政府は5日、メキシコとの国境の壁建設を許可するために、テキサス州南部で、水や大気の保全、絶滅危惧種の保護などを定めた26の連邦法の適用を免除すると発表しました。

《詳細》

バイデン大統領は、以前からトランプ前大統領政権下で推進された国境の壁建設プロジェクトを批判しており、就任直後には「巨大な壁の建設は、真剣な政策としての解決策にならない」と中止を宣言しました。今回の決定は、初めて全面的な行政権を行使して壁建設のための道を開くことになるため、大きな方針転換と言えます。

米国土安全保障省の5日の公示によると、バイデン政権は2019会計年度で議会が壁建設に割り当てた予算を使い、テキサス州スター郡に最大20マイル(約32キロメートル)の国境の壁を建設することになります。同省のマヨルカス長官は「不法な入国を防ぐため、米国国境付近に物理的な障壁と道路を建設する緊急かつ即時の必要性がある」と説明しています。

政府のデータによると、テキサス州スター郡では昨年10月から今年8月初めごろまでに、約24万5千件の不法入国が記録されています。

移民に寛容であることをアピールしてきたバイデン氏は、「国境の壁に効果がないという考えに変わりはないが、建設の予算がすでに計上されているため、国土安全保障省はその予算を建設再開に使うほかなかった」と釈明しています。

またトランプ氏は、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」に、「バイデンは(国境の壁建設に)これほど時間がかかったことを、私とアメリカに謝罪するのだろうか」「彼(バイデン氏)の謝罪を待っている!」などと投稿しました。

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