《ニュース》

警察庁と内閣サイバーセキュリティセンターはこのほど、中国を背景とするサイバー攻撃集団「BlackTech(ブラックテック)」が、日米などの機密情報を狙って攻撃を仕掛けているとして、アメリカの国家安全保障局(NSA)、連邦捜査局(FBI)などと共に注意喚起を行いました。

《詳細》

ブラックテックは2010年ごろから、日米のメディアや電気通信産業を中心に攻撃を繰り返しています。サイバーセキュリティの専門家はこれまで、ブラックテックを中国政府が支援するハッカー集団と位置付けてきましたが、今回、日米当局が公式に、中国との関係を認定したことになります。

警視庁は、ブラックテックの主な手口が、「日本企業の海外子会社のルーターなどの脆弱性を狙って社内のネットワークに侵入し、そこから本社の機密情報に辿り着き、盗み取る」方法であるとも警鐘を鳴らしました。

日本では、2019年に三菱電機がサイバー攻撃を受け、日本の防衛関連の情報データファイルが約2万件も流出した事件がありました。2022年末には、政府機関や多くの大企業が利用しているシステムを提供していた富士通が攻撃を受け、約1700もの機関が電子メールデータの漏洩などの影響を受けたといいます。これらのサイバー攻撃にもブラックテックが関与していた可能性があると、このたび指摘されています。

また、企業だけでなく一般家庭のルーターが経由地に使われることもあるといい、今年3月には警視庁が「家庭用ルーターの不正利用に関する注意喚起」を発表していました。この背景にもブラックテックが関与しているということです。

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