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米政府が、北朝鮮の外貨収入の5割がサイバー攻撃で盗んだものだと分析していることを、3日付日本経済新聞が報じました。
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北朝鮮の相次ぐミサイル発射や予告を受け、各国政府はシンガポールで開催されているアジア安全保障会議(シャングリラ会合)で同問題を討議するなど、対処に追われています。特に焦点となっているのが、北朝鮮の核・ミサイル開発の資金源をいかに封じるか、という点です。
そうしたなか、米政府高官は2日、日経新聞の取材に対して、北朝鮮の外貨収入の約50%がサイバー攻撃によって獲得されたものだと懸念されると語りました。
同国の外貨獲得手段は、以前までは石炭などを中国に密輸するといったケースが目立っていました。ところが新型コロナウィルスの感染拡大で貿易取引額を大幅に減らし、それを補うべくサイバー攻撃への依存を強めたと言われています。
現に同国のサイバー攻撃による窃取は2018年以降、急増しています。例えば暗号資産奪取の総額は22年、判明しているだけでも約2250億円相当にまで上るとされ、1年で約4倍増となっています。
米政府の別の高官は最近、北朝鮮がサイバー攻撃で稼いだ金額の半分は、ミサイル開発や発射実験に使われていると指摘しており、主要な軍事開発資金になっています。実際、サイバー被害額が増加するに従って、ミサイル発射も増えています。
韓国政府によると北朝鮮は、1万人規模のサイバー人材を駆使し、仮想通貨の窃取や、データを乗っ取って身代金を要求するといった行為を繰り返しているとのこと。また数千人の工作員やハッカーを各国に送り込み、犯行を行っているといいます。
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