2023年6月号記事

幸福実現党 党首

釈量子の志士奮迅

第123回

釈党首

幸福実現党 党首

釈 量子

(しゃく・りょうこ) 1969年、東京都生まれ。國學院大學文学部史学科卒。大手企業勤務を経て、幸福の科学に入局。本誌編集部、常務理事などを歴任。2013年7月から現職。
釈量子のブログはこちらでご覧になれます。
https://shaku-ryoko.net/

心の力に目覚めることが世界大戦を回避するカギ

ウクライナの戦火が飛び火して、「世界大戦」に繋がりそうな危険地帯が浮き彫りになってきました。中東、台湾、そして朝鮮半島です。

衝撃が走ったのは、4月13日に北朝鮮から発射されたICBM(大陸間弾道ミサイル)級の「火星18」。当初、北海道南西部の陸地への落下が予測されました。函館や札幌の空が赤く染まっていたかもしれないのです。

実際、北朝鮮のミサイル技術は格段に進歩し、いつでも「核」を落とせる体制を誇示しています。ちなみに、「火星17」の射程は1万5000kmで米国の心臓部を狙えます。実戦配備には、大気圏への再突入技術を獲得する必要があるとされますが、大気圏の外で炸裂させる「EMP(電磁パルス)攻撃」であっても、「米国民の90%が死亡」(*)という予想もあります。

金正恩委員長は3月27日に核施設を視察し、「威力ある核兵器の生産に拍車をかけよ」と檄を飛ばしました。北が公表した写真には直径約50cmの小型核弾頭「火山31」が見られ(下写真)、北朝鮮がついに「戦術核の小型化」に成功したと指摘する識者もいます。他にも、迎撃の難しい「極超音速ミサイル」や、放射能津波を起こす核攻撃型水中ドローンの実験など、日本が手をこまねいている間に北朝鮮の脅威は増大しました。

(*)CIAの核専門家だったピーター・プライ氏など。

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小型核弾頭「火山31」を視察する金正恩氏。提供:KRT/Reuters TV/ロイター/アフロ

30年ぶりの保守・尹政権の変化

38度線で対峙する韓国も切実です。すでに全土がミサイルの射程に入り、いつ北朝鮮軍が韓国になだれ込んでくるか分かりません。すでに北朝鮮は、移動可能な列車や、地下サイロからミサイルを発射しているので、人工衛星等での事前の探知が困難です。自国を守るため、論理的に「もはや先制攻撃しかない」現実を前に、韓国の世論調査では、独自の核開発が必要だと考える国民が76.6%います。「NPT(核不拡散条約)脱退も覚悟すべき」という議論も出てきています。

4月末、尹錫悦大統領は、日韓の関係改善を手土産に米国を訪問し、世界で最も危険な地域は韓半島だと訴えに行きます。尹政権も、来年4月の「総選挙」で親北勢力を超える過半数を握るまでは極めて不安定で、国内は「赤化」を狙うスパイの巣窟です。米国が「韓半島」の非核化という方針を変える見込みはありませんが、どの国も、国家存続の危機を前に変わらなくてはいけない切実さが滲みます。

日本は変われるのか

日本政府は、北朝鮮のミサイルが発射されるたびに、「直ちに米国および韓国と緊密な連携を確認し、北京の『大使館』ルートを通じて北朝鮮に厳重な抗議を行い、強く非難」することを繰り返しています。しかし、自国の運命の手綱は自国で握ろうという「意志」があるべきです。

すでにウクライナは、完全に「代理戦争」の戦場となっています。人口の2割近くが流出し、国土は破壊され、イギリス軍がウクライナに提供を明らかにしたのは「劣化ウラン弾」です。しかし国土防衛に土壌を汚染させる「劣化ウラン弾」を使う国などありません。これがゼレンスキー大統領を選択したウクライナの現実です。SNSに流出した米政府の機密資料でも分かる通り、ウクライナに勝てる見込みがないのは誰もが知っています。

「第三次大戦」を回避する希望のひとつは「トランプ再選」ですが、バイデン民主党政権が立ち塞がります。米連邦議会では、バイデン一家が中国から金銭を受け取った銀行口座まで明らかにされていますが、逆に民主党がトランプ氏を起訴し、司法を使って政治的迫害を行う姿には、暗澹とさせられます。今の米国の「核の傘」を信頼していいのか分からない以上、日本は「自分の国を自分で守る」ために、国家の自助努力で出来ることをすべきです。

幸福実現党は、「核装備」の積極的検討を進め、憲法9条改正を急ぎ、自衛隊を「国防軍」とすることで、戦うべき時に戦える国にすべきだと訴えてきました。そして「自由・民主・信仰」という普遍的価値観で各国と手をつなぎ、中国共産党を包囲すべきと訴えてきました。

韓国も、尹大統領は「中国の脅威」を認識し「日韓関係の改善」を掲げている以上、文在寅前政権のうっぷん晴らしをすべきではないでしょう。確かに「反日教育」の溝は想像以上に深く、日本としてディベートすべき課題を明らかにし、取り組むのは政治の仕事です。

しかし、本当に世の中を変えるのは、神仏の願いと一体となる「心の力」だとつくづく感じます。「人間は永遠の生命を持ち、転生輪廻をしている存在」です。そして地球は貴重な「魂修行の場」であり、民族神の上にある地球神を信じることが、この地球的危機を乗り越える唯一の力となるでしょう。

一人ひとりが、憎しみを捨て、愛を選び取る中で、地球平和という神の奇跡が臨むのではないでしょうか。