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米国防総省は2日、偵察用の気球が米本土上空を飛行していると明らかにしました。同省高官は、「この高高度監視気球は中国のものであると強く確信している」と述べています。

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この気球は中国内陸部から日本上空(九州から中国・四国地方)を飛行し、米アラスカ州などを経由して、今月1日に米西部のモンタナ州に入ったと見られ、民間機の飛行高度よりも高高度を飛んでいます。飛行経路が米軍の機密に関わる多くの場所を通っていることから、軍事施設の偵察をしている可能性があると見られています。

モンタナ州は核兵器の格納庫がある3つの地域のうちの1つ。同州マルムストローム空軍基地には、核ミサイルの一部が配備されています。ただ、「この気球に搭載された監視装置が何であれ、中国が低軌道衛星などで収集できる以上の大きな付加価値をもたらすものではない」と国防総省高官は指摘しています。

国防総省は、この気球による地元住民への軍事的、物理的な危険はないと判断しており、撃墜した場合には破片で住民に危害が及ぶリスクがあることから、撃墜していません。

実は、こうした気球の活動は過去数年にわたって観測されてきたものの、異例なのは今回の飛行が長時間に及んだことだと、指摘されています。

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