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ロシア―ウクライナ戦争が9カ月を超え、長期戦の様相を呈しています。アメリカがウクライナ支援に総額680億ドル(約9.4兆円)を支出し、ロシアも民間企業を含めた動員で戦い続ける中、元米国防情報局員(DIA)のレベッカ・コフラー氏は、この戦争の勝者は「中国」であると、米フォックス・ニュースでこのほど指摘しました。

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「ウクライナの軍事的勝利が近く起きる確率は高くない」とマーク・ミリー統合参謀本部議長が記者会見で戦局の行方について語り、メディアの注目を集めました。コフラー氏はこれを引き合いに出し、「残酷なロシア―ウクライナの戦争が終わりの見えないまま続く中、誰が(勝利の祝杯である)シャンパンのコルクを開けているのか。勝者は間違いなく中国だ」と分析します。

中国には、「虎が山中で殴り合いの喧嘩をしている時、聡明な猿はそれがどう終わるか座って見ている」ということわざがあると、コフラー氏は語ります。2匹の虎はアメリカとロシアを指しており、中国はウクライナを舞台にした米露の代理戦争を通して、虎の戦闘力が低下するのを辛抱強く待っているといいます。

アメリカとロシアはそれぞれ在庫から武器を取り出し、兵器を枯渇させようとしています。コフラー氏は、米露の兵器が減り、習近平国家主席が軍事力強化にまい進できる現状を指摘した上で、「猿が無事に谷底に降りる時が来たのかもしれない」と評しました。

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