2023年1月号記事

話題のベストセラー

『小説 十字架の女』を読み解く7つの鍵

発刊後、大きな反響を呼ぶ新感覚の小説の謎に迫る。



ベストセラーとなり、大反響を呼んでいる『小説 十字架の女』シリーズ。これまでに3000書の著作を発刊してきた大川隆法・幸福の科学総裁による書き下ろし小説は、東京都内を舞台としたミステリーとして始まる。その舞台は一気に世界、そして宇宙へと展開する。

読者からは、「一気に読んだ」「随所にちりばめられたユーモアが効いている」「ドラマ仕立てで、読書が苦手でも読みやすい」「最近の小説は主人公の心情描写がよく分からないことも多いが、この小説は迷いなく読めた」などの声が続々と寄せられている。

海外でも大きな反響を呼び、世界8言語で発刊。各地のブックフェアでも注目を集めている。

小説を味わい、現代のメシア・地球神からのメッセージを受け取る鍵となる7つのキーワードに迫る。

※本企画で特筆のない『 』内の書籍はいずれも大川隆法著、幸福の科学出版刊。

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1 「聖痕」とは何か ─

「十字架」に隠された意味─

小説は、犯罪者の男たちが次々と謎の死を遂げるところから始まる。事件の鍵を握るのが、主人公・アグネスの「聖痕」としての十字架痕だ。

キリスト教において聖痕とは、外傷を受けていないのに、十字架に張り付けられたイエス・キリストと同じ体の箇所に現れる傷のことだ。信心深いキリスト教徒に現れ、「イエスと一体となった」証として列聖(*1)の対象ともなってきた。

(*1)カトリック教会で信者の模範として生きた人を死後、聖人の列に加えること。

「死」を通して信仰に目覚める

小説でアグネスは、「受難」を受けてシスターになった後、「イエスの代理」として生まれ変わる。その象徴として生来の胸の痣が「聖痕」に匹敵する「十字架痕」に変わった。すると──。

大川総裁は、この出来事の意味について、キリスト教の信仰の中心を「十字架」と「復活」に見ているとし、「『死を通さずして、復活をして信仰というものに目覚めるということはできない』というのも、これも一つの真理ではある」(*2)と指摘する。人は「必ず死ぬ」からこそ、宗教がこの世からなくなることはない。

アグネスの聖痕を見た者は、罪を犯す前にあの世に送られた。この世が全てではないという見方からすれば、実はこれが救いだった可能性もある。

(*2)『「小説 十字架の女(1)〈神秘編〉」余話』(幸福の科学刊)

「神に尽くす」生き方を後世に残す

聖痕を授かったアグネスはさまざまな奇跡を起こし、悪魔とも戦うが、物語が進むと闇宇宙の邪神とも戦うことになる。

大川総裁は、この世の幸福とされるものを捨て、「神に尽くす」ことを誓った人にこそ臨む神の力があり、「本人の使命が大きければ大きいほど"十字架"」であり、「受難」でもあるけれども、大いなる「神の御業のしるし」でもあることを指摘している(*2)。

そうした生き方を残すことが、後世の人々の導きにもなる。それもまた、聖痕を持つ者の使命であると言える。

読者の声

神様は全部見てくれている

宗教のタブーにも踏み込んだ衝撃的な事件から始まりますが、小さいことから大きいことまで神様は全部見てくれていて、来世で辻褄が合うようになっているなら、この世で何があったとしても報われるのかな、と救いを感じました。

(静岡県・30代・北里睦美さん)

 

次ページからのポイント

なぜ「天変地異」は起こるのか

ウクライナ戦争の先にあるもの

「宇宙人」はやはりいる

アンドロメダ銀河の「天御祖神」とは何か