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エジプトで国連気候変動枠組み条約締結国会議(COP27)が開幕し、先進国から途上国への支援がテーマとなっています。そうした中、ウガンダの大統領がこのほど、欧米の気候政策に「二重基準」と「偽善」があると批判しました。
《詳細》
ウガンダのムセベニ大統領は9日に自身のブログで、欧州が石炭火力発電所への回帰を進めながら、アフリカ諸国に化石燃料を使用しないよう要請していることが二重基準であると非難しました。
ムセベニ氏は、欧州がアフリカ産の化石燃料を自らのエネルギー生産に利用しようとしながら、アフリカ人に同じことを認めようとしないのは道徳的に破たんしている、と非難。アフリカで採掘する化石燃料を使ったところで、アフリカの温室効果ガス排出量は世界の3%から3.5%に上がるだけであるとしています。
また、西側諸国のアフリカのエネルギーへの投資は、風力発電や太陽光発電プロジェクトに注がれているものの、「風が吹かず、太陽が輝いていないとき、アフリカ人は電力を利用できない」とし、火力や水力、天然ガス、将来的には原子力によるベースロード電源を確保する必要があると指摘。COP27で調印できなかった場合、それをアフリカのせいにしてはならないとしました。
COP27では、「気候変動による気象災害で途上国が被害を受けている」として、先進国の支援強化が議題になっており、既にオランダのルッテ首相、イギリスのスナク首相、アメリカのバイデン大統領が支援を表明しています。また、米仏独英と欧州連合(EU)が、南アフリカの脱炭素に向けて約85億ユーロ(約1兆円)の投資計画で合意しています。
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