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欧州商工会議所のイエルク・ブトケ会長は21日の記者会見で、欧州企業のなかで「中国離れ」が広がっているとの見方を示しました。

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この商工会議所には欧州連合(EU)の中国進出企業が多数参加しており、「中国離れ」の理由を厳格なゼロコロナ政策としています。

ブトケ氏は域内27カ国の在中大使館などと情報収集をした結果、「EU域内から2020年以降、中国に新規参入した企業は一つもなかったことが分かった」と話しています。

コロナ対策のため、ロックダウン(都市封鎖)により供給網(サプライチェーン)が途絶えるなどのリスクが突如発生することなどが背景にあるようです。ブトケ氏は国有企業改革の停滞、中国からのヨーロッパ系人材の流出、中国人の海外渡航制限、ビジネスの政治化の増加も、中国の魅力を低下させる要因になっていると指摘しました。

そして、中国のゼロコロナ政策について「世界は集団免疫で生活しているが、中国は世界のオミクロン株根絶を待っている。あり得ないことだ」などと述べました。

さらに、EUでは別の新興国に拠点を移す動きも出始めているとして、「昨年末以降、企業はアジア各国、インド、トルコなど他国に強い関心を向けている」とも発言しています。

同商会は同日に発表した中国に関する報告書で、「中国は予想しづらい、信頼しづらい、そして非効率的な国になり、投資先としての立場を失いつつある」と指摘しています。

これに対し、中国外務省は同日の会見で「今年、対中投資が最も伸びた国のなかにはヨーロッパの国も含まれている」などと反論しました。

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