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ドイツ政府は5日、年末に停止を予定していた原子力発電所3基のうち、2基が非常時に稼働することを容認する方針を示しました。
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ドイツは2011年の東日本大震災における福島第一原発事故を受けて、22年末までに原発全廃を達成することを決定。17基の稼働を段階的に停止してきました。
現在運転中の原発は3基で、年末に停止し、「脱原発」を達成することを予定していましたが、2基の停止を来年4月に遅らせることを発表しています。ドイツはロシアからの天然ガスの供給が絞られていることなどから、冬を前にエネルギー不足への不安が高まっていました。
ハーベック副首相兼経済・気候保護相は「ドイツは十分な電力を確保している」とした上で、ロシアからのガス供給減少のほか、電力を輸入しているフランス原発の半数の停止、干ばつによるライン川の燃料輸送の混乱および近隣諸国の水力発電量の減少、国内の再生可能エネルギー開発の遅延などのリスク要因を説明。原発停止を遅らせるのは「エネルギー安全保障に向けた万全の対策の1つ」として、あくまでも予備電源としての待機と主張しています。
エネルギー危機を受けて、ドイツ国民の間では、「原発稼働やむなし」という機運が膨らんでおり、公共放送ZDFの世論調査では、稼働延長への賛成は65%と、反対の32%を大きく上回っていると報道されています(9月7日付朝日新聞)。
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