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ロシア―ウクライナ戦争の長期・泥沼化が懸念される一方で、アメリカは中国・ロシアを相手にする二正面作戦を展開しています。

そうした中、ロシアより中国に焦点を当てるべきだと指摘してきた、トランプ前政権の国防次官補代理エルブリッジ・コルビー氏は、ウクライナでの戦争を通して、米防衛産業が対中戦争に十分な武器・兵站の供給能力を有していないことが判明したと警鐘を鳴らしました。

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コルビー氏は19日、「対中戦争、米産業は準備不十分」と題した米ウォール・ストリート・ジャーナル紙への寄稿で、「(ウクライナでの戦争によって)米防衛産業の基盤が、中国など大国との長期にわたる従来型に必要な武器を米軍に供給するのに、十分な能力を持っていないことが実証された」とし、次のように指摘しました。

「(米中間の)戦争を抑止し、必要であれば勝利を収めるため、アメリカには、持続・補修可能かつ装備品の再供給を受けることができるトップレベルの軍が必要だ。台湾をめぐる戦争が始まれば、アメリカの資源は大幅に棄損すると考えられる十分な理由がある。そのような状況で勝つためには、アメリカの産業基盤は、極めて重要な空・海・宇宙軍の基本装備や主要な軍需物資をリアルタイムで交換・補充する量産態勢を整える必要がある」

「2020年代に戦争が起きる恐れもあり、アメリカは準備を整える必要がある。基本装備と武器弾薬を迅速に生産、補修できる統一産業基盤がなければ、米軍は、規模だけ大きくても第1クオーターだけしか戦えないアメフトチームのような存在になってしまうだろう」

「アメリカは近い将来、過去何十年間に経験してきたことよりも激しい戦闘に臨み勝利する必要が出てくるかもしれない。アメリカが戦いの準備を整えない限り、中国の行動を抑止することはできない。そのためには産業基盤が不可欠だ。アメリカの対応には一刻の猶予もない」

これに先立ち7月には、米シンクタンク「戦略予算評価センター(CSBA)」が新たな報告書「中国の選択:人民解放軍現代化評価道具」を公表。

その中で、中国が2030年までに空母5隻(原子力空母1隻を含む)と原子力潜水艦10隻を保有するという展望が示され(今年6月時点で3隻目の空母「福建」が進水)、人民解放軍が今後も、空海軍の増強による「戦力投射能力」の増強を継続することが改めて予想されました。

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