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香港で今秋の新学期から使用される高校の教科書に「イギリスの植民地だったことはない」と記述されることを、現地メディアがこのほど報じました。

《詳細》

新たな教科書では、「植民地」と「植民地支配」は違うと説明し、国外の領土を「植民地」と呼ぶには、その領域の主権と統治権を持つ必要があるとしています。香港の場合、イギリスは「植民地支配を実施しただけであり(中略)ゆえに香港はイギリスの植民地ではない」と記されています。

この教科書は、中国への愛国心を高める特別科目で使われる見通しです。同科目はもともと、批判的かつ分析的に考える力を養い、市民の役割について教える一般教養科目で、民主主義や人権が議論され、1989年の「天安門事件」が事例として取り上げられていました。

現地メディアによると、新たな教科書は中国当局の最終承認を待っている状態で、内容は2019年の大規模な民主化デモを安全保障上の脅威とした政府の見方を反映していると見られています。

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