今夏に予定されている参院選の沖縄県選挙区に、幸福実現党は金城竜郎(きんじょう・たつろう)氏を擁立する。金城氏は10日、沖縄県庁で記者会見を開き、立候補を表明。これまでの活動や、訴えたい政策について語った。
金城氏は1964年、沖縄県那覇市に生まれ、沖縄国際大学を卒業。沖縄気象台を経て、2009年に幸福実現党に入党した。現在、党沖縄県本部統括支部代表を務める。
金城氏は冒頭、幸福実現党が昨年12月から行ってきた、「中国共産党の人権弾圧行為をやめさせ、台湾と沖縄の防衛強化を求める署名」について、全国で約22万筆の署名が集まったことを報告。近々、岸田文雄首相宛に要望する予定であるとした。
そして、参院選で主に訴える政策として、以下の2点について訴えた。
(1) 中国の悪事から日本と世界を守る
台湾有事は先島諸島、沖縄の有事でもあり、抑止力のあり方が重要である。抑止力の基本は、「相手が攻撃してきた場合、軍事的な対応を行って損害を与える姿勢を示すことで攻撃そのものを思いとどまらせる」こと。
想定される攻撃などのレベルに応じた、さまざまな能力を整備しなければならない。与那国島、宮古島に続き、石垣島への自衛隊、ミサイル部隊の配備は、抑止力の構築のために必要であると考える。
また、中国、北朝鮮、ロシアという核保有国に囲まれている我が国は、核抑止の取組みを真剣に推し進めるべき。本土復帰50周年の節目の年であるからこそ、「核アレルギー」に基づく非核三原則の順守は、今や亡国の道であると国民・県民を説得したい。
さらに、台湾防衛は日本の使命と考え、戦前は同じ日本人であった、台湾の人たちを守り切る。戦前・戦中は、約1万5000人の沖縄県民が台湾に住んでおり、重要な疎開先でもあった。また、多くの台湾の人たちが、沖縄で日本に帰化している。台湾と沖縄は一連托生であると考えている。
(2) 無駄な役人や役所を今すぐ"減量"
政府の借金は約1200兆円とGDPの2倍以上で、年に100兆円規模で増えている。第二次世界大戦中を含めても、過去最高となっている。政府も経営の論理から逃れられない"非営利法人"であり、売り上げ50億円の会社が120億円の借金を背負っているなら倒産以外にあり得ない。
残された道は、政府の「減量」のみである。「やらなくてよい仕事」はしない方針で、デジタル庁、こども家庭庁は廃止する。さらに内閣府、環境省、教育無償化の廃止、バラマキにつながる補助金・給付金は原則廃止を目指す。
その上で、「沖縄振興計画」を本気で見直し、政府の財政赤字を減らす「沖縄振興」に転換する。沖縄に対する国からの財政移転は全国12位で、人口一人あたりでは全国5位である。これは、親が借金をしながら子供に仕送りしているのと同じ。子の側から、仕送り分を上手にやりくりしつつ、親の借金を減らしていく努力をする。
振興予算を無駄遣いせず、税収を増やし、人材を育てる
金城氏は「沖縄振興計画」について、二宮尊徳の勤勉の精神に基づく「勤勉革命」と、明治の文豪・幸田露伴が唱えた「幸福三説」(惜福・分福・植福)とを理念とした見直しを提案した。
「惜福」としては、振興予算を浮かせ、無駄遣いしないことにより、沖縄が政府の財政赤字を減らす先頭に立つ。「分福」は、効果的に予算を生かし、県の経済繁栄により国税部分(法人税、所得税、消費税)の税収を増やしていく。そして「植福」は、優秀な人材育成や、未来の起業家の育成のために予算の配分をする。
金城氏は、「省くことのできた予算枠と、企業家が実業を成功させて増えた税収分を数値化し、政府の財政赤字縮小への貢献度を公表し、全国地方自治体行政へ影響を与えていく」とビジョンを語った。
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