虚言と妄想に満ちた書籍によって名誉を著しく傷つけられたとして、宗教法人「幸福の科学」が、出版元の文藝春秋社と著者の大川宏洋氏に対し、損害賠償などを求めた訴訟で、東京地裁は4日、同社と宏洋氏に対して合計で121万円の支払いを命じ、幸福の科学が勝訴した(提訴については、下記、関連記事参照)。

判決では、宏洋氏が書籍に書いた、野田首相の霊言の際に首相本人の発言と不一致が生じて収録現場が騒然となったという指摘や、教団が2017年に数百億円単位の赤字に陥っていた、などの点について、「真実であると認めることはできない」などとして、文藝春秋社と宏洋氏に対し「共同不法行為責任を負う」と断じた。

教団は30年以上、「無借金経営」を続けている

今回の判決で特筆すべきは、裁判所が、宏洋氏側の真実性の主張については1つも認めなかった点である。

例えば、宏洋氏は書籍で、2017年に教団が数百億円単位の赤字に陥っていたと指摘し、教団の職員を務めていた自分がまるで教団の内情を知っているようなトーンで伝える。だが実際には、2017年は黒字であり、幸福の科学は1986年の立宗以来、30年以上、「無借金経営」を続けている。

幸福の科学グループ広報局によると、今回の書籍発刊にあたっては、宏洋氏や文藝春秋社側から、教団に対してまともな裏取り取材もなく、宏洋氏の「虚偽発言」をそのまま書籍化した形になっているという(今回の判決に対する広報局の見解)。

平気で嘘をつく宏洋氏も宏洋氏だが、その「フェイク」情報の裏取り取材もせず、書籍として世に出す文藝春秋社も出版社として大きな責任がある。

なお、今年1月には、複数のYouTube動画で名誉を著しく傷つけられたとして、幸福の科学などが宏洋氏に対して損害賠償などを求めた訴訟の判決があり、東京地裁は宏洋氏に合計132万円の支払いを命じるとともに、発言部分の動画の削除を認め、幸福の科学が勝訴している(下記、関連記事参照)。

【関連サイト】

今回の判決に対する幸福の科学グループ広報局の見解

https://happy-science.jp/news/public/11465/14879/

【関連記事】

2020年5月号 宏洋氏の本に出版差し止めを求める訴訟 「虚言・妄想」は許されない - Opinion

https://the-liberty.com/article/16950/

2022年1月21日付本欄 宏洋氏YouTube動画に削除命令の判決 自分に尽くした人が全て悪人になる人は、最大の悪人

https://the-liberty.com/article/19146/