《ニュース》

米空軍大学のジャレッド・M・マッキンニー教授とコロラド大学のピーター・ハリス准教授が、このほど発刊された米陸軍戦略大学の季刊誌で、「中国が台湾を攻撃したら、台湾は自国と中国の半導体製造工場を破壊する作戦を行うべき」という趣旨の論文を発表し、日本のネット上で話題になっています。

《詳細》

中国は、パソコンやスマートフォン、電気自動車など、あらゆる電気製品を動かす半導体を海外からの輸入に依存しています。中国国営メディアによると、2020年時点で、3500億ドル(約40兆円)以上の半導体を輸入したといい、中国で使用された半導体のうち、自国で賄った割合はわずか5.9%にとどまりました。

そこで著者の2人は、中国の製造業の要である半導体を中国に渡さないように、台湾は自国の生産拠点を破壊するとともに、中国の半導体製造工場をミサイルで攻撃するという「焦土作戦」の実施を主張。またアメリカは、中国が台湾を侵攻したら、同盟国である日本とオーストラリア、韓国が独自に核兵器を開発することを許可すべきと提言するなど、アメリカが台湾防衛に失敗する可能性がある以上、中国に対して台湾侵攻を未然に防ぐ措置を講じるべきであるとしています。

また著者は、中国海軍に詳しいアナリストの話として、北京政府が台湾侵攻を成功させる目標を「14時間」と定め、日米が対応するのに「24時間かかる」と見積もっていると語っていると記しており、日米が台湾有事に介入する前に、中国は"台湾統一"という既成事実化を図るといいます。

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