《ニュース》

菅政権が打ち出した「2030年度の温室効果ガス46%削減」を見据え、経済産業省はこのほど「エネルギー基本計画」の原案を公表しました。それによると、30年度の総発電量のうち36~38%を再生可能エネルギーでまかなうとしており、実現可能性をめぐって議論を呼んでいます。

《詳細》

原案では「再生エネ最優先の原則で導入を促す」「主力電源化を徹底」とされています。原発比率を20~22%(フル再稼働が必要)としつつ、火力発電の比率を現在の75%(2019年度)から41%にまで減らす想定となっています。

「再エネ36~38%」というのは、現状(2019年時点で18.5%弱)の約2倍です。また、洋上風力は環境への影響調査などだけでも8年ほどかかり、30年度までに建設が間に合わないため、増分はほとんど「太陽光発電頼み」となります。

そうなると、ソーラーパネル敷設のためのコストに加え、電力を安定供給するための送電網・蓄電池への投資だけでも数兆円規模で必要になるとされています。

こうした目標について、基本法の原案では「野心的」との記述が盛り込まれていますが、これは「非現実的」ということでもあるとの指摘も出ています(調査会の橘川武郎国際大教授による原案に対する意見)。

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