《ニュース》
中国政府はこのほど、加熱する不動産市場を抑制するため、「不動産税」を立法化する方針を、2021年からの5カ年計画の方針に盛り込みました。
《詳細》
共産主義を建て前とする中国では、土地は政府の所有物であり、その土地の「使用権」が市場で売買されています。そのため、日本の固定資産税に当たる税金は大半の都市にはなく、主に、土地の使用や取得などに課税されています(ちなみに相続税もなく、不動産の相続は名義変更などの手数料徴収にとどまります)。
大規模な開発であれば、使用権は高く売れます。そのため多くの地方政府は、大規模な不動産プロジェクトを推進し、それを売却することで、大きな収入を得てきました。銀行も不動産投資に旗を振るなどした結果、「巨大な不動産バブル」が発生。2020年の地方政府による国有地の売却収入は、中央と地方を合わせた税収総額の5割を超え、地方財政は「不動産頼み」となったのです。
それを問題視した中央政府は、今回、"金融の安定化"という名目の下、地方財政にメスを入れ、売却収入を中央に税金(不動産税)として吸い上げる動きを強めています。経済専門家によれば、不動産税は7月1日にも上海市などで先行導入され、来年1月1日から全国導入されるといいます。
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