《ニュース》

自民党が政府に提出した尖閣諸島防衛をめぐる提言の作成で、海上保安庁を所管する国土交通部会から反対論が噴出し、海上保安庁法の改正などを求める動きが後退したと、時事通信がこのほど報じました。

《詳細》

中国が2月に海警局に武器使用を認める海警法を施行したことで、自民党内の議論が紛糾。海上保安庁法改正などの強い措置を求める国防部会と、慎重論を唱える国土交通部会が対立しています。

焦点となっているのは、GHQが日本を統治していた時代に制定された海上保安庁法25条の改正。同法には、「この法律のいかなる規定も海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない」とあり、海保と自衛隊の連携を阻む条項が定められています。

しかし、3月26日の合同会議で国土交通部会側は、「巡視船の操船性能、搭載装備の性能も相手を上回る」「(軍事衝突に発展させないための)緩衝材としての使命がある」などと訴え、海上保安庁法改正に反対を表明。

提言の原案にはもともと、平時でも有事でもないグレーゾーン問題について、「遺漏なく対処するための方策を検討し、必要な法整備を行うこと」と明記されていました。しかし、反対論が噴出したことで、「必要があれば法整備も検討する」という表現に弱められました。

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