2021年5月号記事

コロナ下最高益でも実体は現代の「アヘン産業」!?

「GAFAバブル」は崩壊する

世界に情報革命を起こした立役者──。
誰もがそう信じ、感謝さえしてきた巨大IT企業、GAFA。
しかし私たちは近く、「盛者必衰」とも言える光景を目の当たりにするかもしれない。

コロナ禍の2020年、主要先進国の国内総生産(GDP)は合わせて約4%も減った。そんな中、空前の大繁栄を迎えた業界がある。グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン─GAFAと呼ばれる大手IT企業だ。

4社の株価で日本のGDP超え

彼らはこの1年で、最終利益を合計43%も増やした。

株価もうなぎ上りだ。1年で4社の時価総額(企業の値段)の合計は、58%も膨れ上がった。株価は以前から伸び続けており、3年間で倍増。日本のGDPを超えてしまった。その結果、「GAFA4社の株価だけで、日本の主要企業をほとんど買える」という状況にまでなっている。

しかしそこまで来ると、不安がよぎる。日本の不動産価格が高騰した1980年代後半、「山手線内側の土地価格だけで、アメリカの全土地が買える」という試算が出た。それをきっかけに人々は、「東京の土地は魅力的だが、さすがに全米に匹敵する価値はないのでは」と直感的に感じ、バブルを疑い始めた(*)。

今のGAFAはどうか。日本の民間経済ほぼ全てに匹敵する価値を、生み出しているのか。

GAFAは世界の時価総額ランキング上位を占める"世界産業"だ。歴史的にこうした「王座」につくのは、鉄鋼、石油、自動車など、他の企業の発展を支える「胎盤」となった産業ばかりだった。

確かにGAFAは、世界の情報流通・商品流通を便利にした。しかしこれから見ていく通り、むしろ他の産業・企業を衰退させる効果も生んでいる面が大きい。

もし人々がそれに気づかず、GAFAを繁栄させているなら、サービスへの評価、利益、株価のすべてに、とんでもない巨大バブルが潜んでいる可能性が高い。

(*)ただし、政府・マスコミによる過度のバブル叩きは、日本経済に構造的禍根を残した失策と見られる。

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編集部作成。GDPはOECD加盟国及びパートナーの名目値合計(IMF)。
時価総額は各年12月末時点のもので、Googleは親会社Alphabet社の株価で計算(CompaniesMarketCap.com)。

 

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