2021年4月号記事
脱炭素社会は世界大恐慌への道
「脱炭素は成長戦略の柱」、そんなムードを信じてよいのか。
実際は、世界大恐慌へとつながる、進んではならない道なのだ。
p.16~
太陽光発電と洋上風力では日本経済が破壊される
p.18~
「脱ガソリン車」強行なら日本から自動車産業がいなくなる
Interview 自動車ジャーナリスト 池田 直渡
p.22~
コロナと脱炭素で、GDPマイナス30%の大恐慌!
p.26~
脱炭素に仕掛けられた中国の罠
Interview グローバルキヤノン戦略研究所研究主幹 杉山 大志
p.30~
NHKよ、大丈夫ですか?
Interview 東京大学名誉教授 渡辺 正
p.34~
悪魔の道具である「脱炭素」に振り回されるな
contents
脱炭素社会は世界大恐慌への道 - Part 1
世界は今、「脱炭素」の波にのまれている。
バイデン米政権は発足直後、トランプ政権時に脱退したパリ協定に再加盟。パリ協定は世界の平均気温を、産業革命前との比較でプラス1.5℃に抑えるため、脱炭素の努力を追求するというものだが、CO2排出量で断トツ世界一、しかも年々増やし続けている中国も参加し、「責任ある大国」と振る舞っている。
日本でも菅政権が発足し、早々に掲げた肝入り政策が「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」だ。
「発電はすべて脱炭素化」し、「電気自動車を推進」する。こうして新産業を創り出しながら、脱炭素を実現するという。
大寒波で全面停電寸前
ところが、日本の実情を見ると、事態はそんなに甘くなさそうだ。1月には厳しい寒さによって、関西電力の99%をはじめ、電力の供給力を示す電力各社の使用率は連日9割を超える異常事態となった。大規模停電の一歩手前だったが、各社間で電力融通を行い、火力発電所の最大出力での運転を求めるという異例の措置で何とか乗り切った。
しかし、「来年の冬には、電気が全面ストップするかもしれない」という不安が残った。
寒波で一時的に暖房の使用が増えたこともあるが、液化天然ガス(LNG)の在庫が不足。発電電力の約4割をLNG火力に頼る日本の構造的な問題が浮き彫りになった。現時点で電気が足りない日本を、「過度にエネルギー源を電気に頼った国」に変えてよいのか。
年始にはコロナで緊急事態宣言が出され、実体経済は不況の真っただ中にある。そうした中で「脱炭素」を強力に推進した場合、一体何が起こるのか─。
太陽光発電と洋上風力では日本経済が破壊される
「脱ガソリン車」強行なら日本から自動車産業がいなくなる
Interview ガソリン車禁止はスターリンの5カ年計画並みの暴挙 池田 直渡氏
自動車産業に存亡の危機が
コロナと脱炭素で、GDPマイナス30%の大恐慌!