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アメリカを拠点とする国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は9日、中国がビッグデータを使ってウイグル人の弾圧を進めているとの報告書を発表しました。
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報告書では匿名の情報提供者から入手した新疆ウイグル自治区のアクス地区で拘束された2000人以上のリストを分析。中国の監視ネットワークである「一体化統合作戦プラットフォーム(IJOP)」のビッグデータを活用し、逮捕するウイグルのイスラム教徒を恣意的に選んでいると結論付けています。
IJOPとは、AIによる顔認証データや、夜間撮影機能のついた監視カメラの映像、無線LAN経由で取得したスマートフォンやパソコンの識別アドレス、さらに自動車のプレートナンバーや、市民IDカードのナンバーなどを統合した監視システムです。「犯罪抑止」の名目のもと、運用されています。
管理される情報には、自動車の所有情報や健康情報、家族情報、銀行情報、法廷記録なども含まれ、地域の警察当局はあらゆる不審者情報などを、IJOPに報告するようになっているといいます。
報告書では、IJOPで収集された海外に住む妹との電話記録から「海外との危険な接触をした」として拘束された人物の例なども示されています。その人物は妹との連絡が途絶えた今も、収容所で強制労働させられているといいます。
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