《本記事のポイント》

  • 実体経済の強さが後押しした結果、米GDPは第3四半期に年率33.1%増
  • トランプ氏は「コロナと共存」、バイデン氏は「コロナで死につつある」と発言
  • 墓穴を掘ったバイデンのエネルギー政策:激戦州ペンシルバニアはトランプ氏に投票へ


「トランプのスーパー・リカバリーかバイデンの大恐慌かの選択だ」

米大統領選の終盤ミシガン州のランシングを訪れたトランプ氏は27日、選挙集会でこう訴えた。

その予言は早くも当たりつつある。29日夜に発表されたアメリカの7~9月期の実質国内総生産は、年率換算で前期比33.1%となり、上昇幅は比較可能な1947年以降で最大の上げ幅となった。

とくにGDPの約7割を占める個人消費は40.7%増となり、サービス産業における消費がGDPの伸び率の半分を支えた。

オバマ政権は、2008年から2009年のリーマンショックからの回復に、この4倍の時間を要したことを考えると、この伸び率はトランプ政権の成果であり、「スーパー・リカバリー」になったと言える。

このような極端な回復は歴史に類例を見ない。

回復の理由としてホワイトハウスは2つの理由を挙げた。コロナに襲われる前のアメリカは、2017年末の大型減税を受けて2019年の個人所得は増え、標準世帯の収入は6万8700ドル(約714万5736円)になったという。この所得の伸び率は1967年以来最大の6.8%である。

また貧困率は1.3ポイント減り、10.5%と歴史的な低さとなっていた。オバマ政権の8年間で貧困に陥った人々が78万7000人も増えたのに比べ、410万人が貧困から救われている。

ラリー・クドロー国家経済会議委員長は29日、米FOXニュースのインタビューに答え、「減税、規制緩和、エネルギー産業の独立、そしてよい貿易政策が回復基調に貢献したのです」と述べている。

要するに、実体経済の強さが回復力となったのだ。

さらにCARES ACT(コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法)による大規模な財政出動も回復を支えたと発表した。

アメリカではコロナで約2500万人が雇用を失ったが、毎月雇用は増え続け、これまでに生まれた雇用を合算すると9月までの段階で1400万人の雇用が創出され、約56%の人々が仕事を取り戻している。

この結果、9月の失業率は7.9%となり、4月の14.7%から急速に下がった。連邦議会予算事務局は、第3四半期の失業率を4月の時点で16%になると予測していたが、それを裏切った形となった。

また第三次産業のサービス産業だけでなく、第二次産業の製造業も、5カ月連続で成長を続けている。


トランプ氏は「コロナと共存」、バイデン氏は「コロナで死につつある」と発言

この景気回復は、トランプ氏がコロナ禍でも、経済再開を推し進めた政策に負うところが大きいだろう。

トランプ氏はバイデン氏との2回目のディベートで、「私たちはコロナとの共存を学びつつある」と述べた。かたやバイデン氏は「共存するのを学びつつあるだって? ちょっと待ってくれよ。我々は、コロナで死につつあるのだ!」と反論。

だが若者の致死率はほぼ0%、致死率が高いのは70代以上の持病がある人々だという調査結果が出ているのにもかかわらず「死につつあるんだ!」というバイデン氏は、正確さを欠いている。今バイデン氏は、「バイデンなら経済をシャットダウンする、そして大恐慌になる!」というトランプ氏の猛攻をかわすのに必死な状況に追い込まれてしまっている。


墓穴を掘ったバイデンの発言:激戦州ペンシルバニアはトランプ氏に投票へ

またバイデン氏の2回目のディベートにおける失言が、選挙戦の最終盤で思いのほか響いている。民主党は2035年までに二酸化炭素の排出ゼロを目指しているため、「石油産業は移行期間にある」と言ってしまったのだ。

またバイデン氏はディベートで、「石油産業は環境を汚染する!」とも言ってしまったため、石油は天然ガスを採掘する技術であるフラッキング(水圧破砕法)も禁止すると言っていた過去の発言と併せて、バイデン氏が大統領になると石油や天然ガス関連の産業の雇用が失われると、大騒ぎになっている。

原油採掘産業が主な産業の州の中には、激戦州のペンシルバニア州などが含まれているため、バイデン陣営にとっては大打撃だ。

経済に与える影響は計り知れない。石油や天然ガス関連の産業だけで約1000万人、つまりアメリカの雇用の5.6%を創出している。

また中東の原油に再度依存するようになれば、アメリカはエネルギー安全保障が脅かされ、中東政策も産油国に頭を下げなければならなくなるだろう。

しかも主要産業を天然ガスなどに依存する州の経済が打撃を受ければ、税収は落ち込み、民主党が好きな「公教育」に回す歳入も減ってしまう。

民主党は2035年までに化石燃料によるエネルギーを70%減らす政策を掲げるが、現在、電力の70%は天然ガスによって賄われている。民主党は国民に電気自動車を使うよう促しているが、電力の供給が間に合わないのに需要が急激に上がれば、電力価格は高騰し、国民の生活に打撃を与えるのは火を見るより明らかだ。

バイデンは本当に経済のことが何も分からないのではないのではないか、と疑いたくなる。

アメリカ国民の関心はコロナより経済であり、国民は経済を強くしてくれる大統領を求めている。

そもそもアメリカは「神の繁栄」を実現するために創られた。国民が豊かになれないアメリカなど、アメリカではない。

アメリカが順調に回復基調を続けられるかどうかは、トランプが二期目を続けられるかどうかにかかっている。

(長華子)


【関連書籍】

『米大統領選 バイデン候補とトランプ候補の守護霊インタビュー』

『米大統領選 バイデン候補とトランプ候補の守護霊インタビュー』

幸福の科学出版 大川隆法著

幸福の科学出版にて購入

Amazonにて購入


【関連記事】

2020年10月24日付本欄 トランプ大統領とバイデン元副大統領のディベート あのブルーステイトでもトランプに軍配

https://the-liberty.com/article/17723/

2020年9月24日付本欄 経済でトランプ氏がバイデン氏をリード 民主党政権になると実は「見えない税金」が貧困層を直撃する!?

https://the-liberty.com/article/17625/