写真:UPI/アフロ

2020年10月号記事

あなたの貯金が狙われている!

貯金税という悪夢

これまでも、そして現在も、自民党政府は大盤振る舞いを続けている。

この先、国民にどのようなツケが回ってくるのか─。

(編集部 河本晴恵、山本慧)


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悪い政府は恐慌時に増税する

不況期には増税しないだろう─。

そんな漠然とした期待があるかもしれないが、現実は違う。

ブレーキを失うコロナ対策が向かう先とは。

コロナ対策をめぐり、安倍政権の鶴の一声で莫大な血税が消えている。

今年度だけで90・2兆円の国債を発行し、リーマン・ショックより1.7倍大きい規模の大盤振る舞いを行った。政府・与党の支持率を上げることに躍起になる一方で、1000兆円を超える債務問題は、宇宙の彼方にでも飛んで行ったかのようだ。

気前よくばら撒く政治家は、任期を終えれば、「債務問題は未来の政権の課題」とでも思っているのだろうか。バラマキが続けば、確実に貯金税の導入が近づいてしまう。

日本の国債に信用がなくなれば、投機ファンドに狙われ、円や株などが売られ、下手をすると、国そのものの破たんにつながる。

6月に米格付け会社は、日本国債の信頼性を示す格付け見通しを「安定的」から「弱含み」に下げ、厳しい目を向け始めつつある。

地方銀行の9割が消滅する!?

大川隆法総裁は昨年12月の法話「新しき繁栄の時代へ」で、今後、中国発の不況が起き、 「メガバンク二行と地方銀行十分の一の世界が、これから起きるであろう世界です」 と述べ、政府が無策のままであれば、銀行は潰れると指摘。さらに近著『時事政談』では、 「黒田日銀の百十兆円融資枠が、戦艦大和最期の出陣でないことを祈るばかりである」 と語っている。

日銀はコロナ対策で、実質無利子や無担保融資など、約110兆円の企業支援を実施。今年7月時点で、全銀行による貸出平均残高は約500兆円に増えた。

貸したお金はいずれ返済しなければならない。コロナの感染や自粛ムードが長期化する恐れがある今、借金を返せなくなる企業が増えるのは時間の問題だ。

そうなれば、銀行による貸し渋りや貸しはがしが起き始め、倒産件数は戦後最悪のペースで急増。企業が抱える莫大な不良債権問題だけでなく、失業者がローンを返せない問題も起きるなど、大きな社会不安が生じ、ただでさえ懐事情が厳しい銀行は、コロナ融資の不良債権化が引き金となって経営破たんする。

政府が本当に無策だった場合には、地方銀行の9割が消える恐ろしい未来が待ち構えている(本誌3月号に詳述)。大恐慌が足元に忍び寄って来ているかもしれないのだ。

このように実体経済の客観的状況は、貯金税どころの話ではない。しかし政府・財務省はそんなことにお構いなく、事を前に進めるだろう。

なぜなら、「大恐慌になる時代こそ、増税をしたがる」のが、"悪い政府"の特徴だからである(本誌92ページ参照)。

次ページからのポイント

あなたの財産はいくら奪われる?

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