評論家の渡部昇一氏がこの世を去って3年が経った。

知的生活の重要性や、歴史認識の誤りを乗り越える必要性などを啓蒙してきた渡部氏。生前、国の行く末を左右する事件が起きた時などには、必ずと言っていいほどその評論に注目が集まった。

コロナ感染で世界が混乱し、日本の政治経済にも大きな影響が出ている今、渡部氏に話を聞けるなら、何が語られるだろうか。

大川隆法・幸福の科学総裁は今回のコロナ禍を受け、5月に渡部氏の霊言を収録。その内容は、『渡部昇一 「天国での知的生活」と「自助論」を語る』として発刊された。

コロナは「チャイナ発」

世界では、新型コロナウィルスが中国・武漢市のウィルス研究所発のものではないかという疑いが広がっている。アメリカの指摘に対して、中国は国家を上げて「火消し」に入っている。

この状況について「もし生きていて意見を述べるなら」という問いに対し、渡部氏の霊は「『チャイナがつくったに違いない』と絶対に言っているね」と回答し、「言っていることが全部嘘だからね。その反対だと思わなきゃいけないので」とした。

その中で、日本が観光客目当てに中国を「ご主人様」のように祭り上げ始めていたことや、中国が日本の土地を買収していることを危惧。「日本流の発展・繁栄」を考えないと、中国の大きな経済にのみ込まれ、日本が「一つの省」ぐらいにされかねないと警鐘を鳴らした。

その他、霊界での経験を踏まえ、「9月入学」などコロナをめぐる政府の対応や中国の「一帯一路」構想の今後などについて、幅広い分野への意見を語った。

「自助論型」の人たちが日本を再生させる

渡部氏は生前、繰り返し「自助の精神」の重要性を訴え、重税の福祉国家を目指せば、国家の衰退がやってくると警鐘を鳴らしていた。

今回のコロナ禍においては、自粛要請などによりさまざまな業界で経営が立ち行かなくなる会社が続出。政府や自治体は補助金を出して対応しようとしている。この点についても渡部氏の霊は「救われはしないと思うよ。『客が来ない』というものは解決しないので」として、小池百合子・東京都知事など政治家は、経営者の気持ちを分かっていない、と指摘した。

渡部氏は、日本を再生させるのは、自分で努力して、勇気をもって新しいことにチャレンジしていく「自助論の人」であり、そういう人々がタケノコのようにたくさん出て来ることが大事だという。

日本人一人ひとりに対して、「まだ見ぬ可能性が眠っている」と励まされるかのような、力強い言葉だ。

霊界で「読める本」は?

渡部氏が霊界で生活した実感についてのエピソードも興味深い。

例えば、あの世では「勉強が進まないと読むことが許可されない本」があるという。渡部氏は、「地上はどんな人でも『天上界のトップ』に通じる本が読めるという『すごく優れた場所』」と述べた。具体的な例の奥に、地上に生きる私たちが持つ「自由」と、それに伴う「責任」を改めて感じられる。

本書は、霊界のさまざまな事情や、地上と霊界との関係などのエピソードに満ちており、読み物としても面白い。「今、自分にできることを考える」ためのきっかけとして、ぜひ手に取っていただきたい。

【関連書籍】

『渡部昇一 「天国での知的生活」と「自助論」を語る』

『渡部昇一 「天国での知的生活」と「自助論」を語る』

幸福の科学出版 大川隆法著

幸福の科学出版にて購入

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=2393

Amazonにて購入

https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4823301889/liberty0b-22

『サミュエル・スマイルズ「現代的自助論」のヒント』

『サミュエル・スマイルズ「現代的自助論」のヒント』

幸福の科学出版 大川隆法著

幸福の科学出版にて購入

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=2327

Amazonにて購入

https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/482330151X/liberty0b-22

【関連記事】

2020年3月2日付本欄 サミュエル・スマイルズが語る、今こそ求められる「現代的自助論」

https://the-liberty.com/article/16887/

2020年7月号 永遠の生命の世界を実感する一助に 大川咲也加氏 最新刊

https://the-liberty.com/article/17165/