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【本記事のポイント】

  • 台湾で人権活動家による国際会議「オスロ自由フォーラム」が開催へ
  • 台湾への圧力を強める中国に、世界の人権活動家が異議を唱えた形
  • 日本も「台湾関係法」の制定で独自の日台関係を築き、台湾を支援すべき

台湾・台北市で11月、米ニューヨークを拠点とする人権財団(Human Rights Foundation)が主催する「オスロ自由フォーラム」(OFF)が開催されることになった。

OFFとは、世界各国の人権活動家や民主活動家がスピーカーとして登壇する国際会議だ。天安門事件で両足を失った民主活動家、方政(ほう・せい)氏も同フォーラムで講演を行っている。2009年の発足以来、ノルウェーの首都オスロでフォーラムが開催されているが、アジアで開催されるのは初めてのこと。

OFFの台湾誘致に尽力した台湾野党・国民党の許毓仁(スー・ユージェン)議員は、「台湾は民主主義を勝ち取るために戦ってきた。いまもなお中国大陸から圧力を受けながら、私たちは民主主義のために戦っている」と述べている(3日付ニューヨーク・タイムズ紙)。

亡命中のカンボジアの野党議員ムー・ソチュア氏や、脱北者のパク・ヨンミ氏らが講演者として台北を訪れる予定だ。ソチュア氏は本フォーラムについて、「我々は中国に対して人権を尊重するよう要請する」と語っている(同上)。

「一つの中国」原則に「待った」がかかる

「自由」に関する国際会議が、台湾で開催されることの意味は大きい。

3月にアメリカ議会が、米台双方の政府関係者の相互訪問を認める台湾旅行法を可決して以降、中国は台湾との国交断絶を諸国に迫るなど、露骨に圧力をかけてきた。米政府の要人が台湾を自由に訪れるようになれば、台湾を中国の一部とする「一つの中国」原則が覆されかねないからだ。中国の圧力によって、すでに、中米のドミニカ共和国や西アフリカのブルキナファソが台湾との国交を断交している。

今回のOFF開催は、「一つの中国」原則を推し進める中国政府に対し、世界の人権活動家らが「待った」をかける形だと言える。

日本も「台湾関係法」の制定を

11月のOFF開催に先駆け、台湾の蔡英文総統は今月12日から20日にかけての中南米歴訪にあたり、往路と復路でそれぞれアメリカを経由すると発表している。台湾旅行法が成立して以降、蔡氏がアメリカを訪れるのは初めて。訪米中にトランプ政権との接触があるか、注目されている。

こうした台湾をめぐる動きに対して、日本は傍観していてはならない。台湾が中国に組み込まれることがないよう、台湾の人権活動家を支援するなど民間レベルでの交流を深めながら、「台湾関係法」を制定し、独自の日台関係を築く必要がある。

(片岡眞有子)

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