「1980年代後半、北朝鮮は宗教の自由が存在するかのように宣伝しようとして、平壌に鳳岫教会と長忠聖堂を建てた。信仰が全くない『本物のアカ』で信者席を無理やり埋めた。時がたつにつれ、変化が生じた。説教を聞き、賛美歌を歌う中で、『本物の信者』になっていった――」

27日付の朝鮮日報に掲載されたインタビューでこう語るのは、2016年に脱北して韓国に亡命した太永浩(テ・ヨンホ)元駐英北朝鮮公使です。今月中旬、『3階書記室の暗号』という北朝鮮の内情を暴露する著書を韓国で出版し、話題になっています。

太氏は、北朝鮮でキリスト教の信仰に出会った国民について、「一見、偽信者のように思えるが、内面は本物の信者だ」と述べています。このエピソードは、北朝鮮の人々が、心のどこかで信仰を求めていることを表しているといえます。

実際に北朝鮮では、当局の過酷な弾圧にも屈さず、信仰を守り続けているクリスチャンが数多くいます。本欄では、北朝鮮内部で戦う、信仰を持つ人々に焦点を当てて、北朝鮮に信教の自由を広める必要性について考えていきます。