2018年5月号記事
人口が減っても客は増える
シャッター街、赤字企業の V字回復 物語
人口減少による衰退を乗り越え、奇跡の復活を成し遂げた、地方のお店や商店街の物語に迫る。
不況・業界不振・ジリ貧にあえぐ、あらゆるビジネスパーソンのヒントにもなるはずだ。
(編集部 小川佳世子、馬場光太郎、片岡眞有子)
contents
【香川】人口が減っても客は増える - シャッター街、赤字企業のV字回復物語
香川
「商売人スピリット」で街をよみがえらせた
ショッピングモールに負けない商店街
人通りが途絶えた香川県の商店街を復活させた仕掛け人に、改革が成功するまでの道のりを聞いた。
高松丸亀町商店街振興組合 理事長
古川康造
(ふるかわ・こうぞう)2007年、高松丸亀町商店街振興組合理事長に就任。「まちづくりサポーター」として全国を回っている。
「何が起こっとるんや」
約20年前、街の急変に商店主たちは焦りをにじませた。
香川県随一と言われ、連日賑わいを見せていた高松丸亀町商店街は、ある時を境にめっきり客足が途絶えた。日曜日だというのに通りに人影はなく、売上げもピークだった1988年から半分以下に落ち込んだ。
バブルで地価が跳ね上がったことが要因の一つだった。月極め駐車場が5万5千円まで値上がりするなど、商店街近隣はとても人が住める状況ではなくなった。その結果、郊外に転居する人が続出。商店街に面したエリアの人口は、1千人から約75人にまで激減した。
さらに、88年の瀬戸大橋の開通と同時に、他県から進出してきた大型店舗が顧客を根こそぎ奪っていった。香川一の活気は見る影もなくなった。
時代の先を読んで手を打つ
「居住者」を増やす
「成功者の町」をつくる
問題解決策を「発明」する
補助金は投資と捉える