《本記事のポイント》
- 今回の全人代で、国家主席の任期が撤廃される見通し
- "皇帝"となった習主席は、さらなる覇権拡大を目指す
- 日本は幕末期と同じく、「国防の危機」にある
中国の国会にあたる第13期全国人民代表大会(全人代)第1回会議が5日から北京の人民大会堂で開会した。会期は16日と異例の長さだ。
5日には2018年の予算案が公表され、国防費は前年実績比8.1%増の1兆1069億5100万元(約18兆4千億円)を計上。李克強首相が公表した18年の経済成長率目標は、昨年と同じ「6.5%前後」だった。
今回の全人代では、2期10年までと定められている国家主席の任期制限をなくす憲法改正案が、11日に可決される見通しだ。憲法が改正されれば、習近平氏は3期目となる23年以降も国家主席でいられる。
また習主席の盟友であり、汚職高官を次々と摘発した王岐山氏が国家副主席に起用されるという見方も強まっている。全ての公職者の汚職を取り締まる国家監察委員会も新設され、大型の組織改編も行われる見通しだ。習主席の独裁体制がますます強化されることになる。
「今や終身の国家主席だ」
トランプ米大統領は3日、フロリダ州の会員制高級リゾート「マールアラーゴ」での献金者へのスピーチで皮肉を込めて次のように語った。
「中国は偉大であり、習氏が偉大な紳士であることを忘れてはならない。今や終身の国家主席だ」「習氏にはそれ(終身の国家主席)ができた。素晴らしいと思う。われわれもいつか挑戦してみようか」
トランプ氏が指摘するように、国家主席の任期撤廃は、習氏が終身の国家主席、すなわち「事実上の皇帝」になれることを意味する。権力を集中させ、「皇帝」となった習氏が目指すのは、一帯一路構想と軍事拡張による「世界覇権の獲得」だろう。
実際、中国の国防費はアメリカに次ぐ世界第2位であり、アメリカの4分の1、日本の3倍以上となっている。中国軍はアメリカに対抗できるような「世界一流の軍隊」を目指し、海・空軍やミサイル分野の軍備増強を進めている。例えば中国海軍は、現在3機目の空母を建造中であり、4機目以降には原子力空母が採用されると見られる。
習主席の本質は、「皇帝」
大川隆法・幸福の科学総裁が2010年、霊査を行ったところ、習氏の過去世は「チンギス・ハン」であることが明らかになった。チンギス・ハンと言えば、虐殺の限りを尽くして周辺国を従わせ、モンゴル帝国(元朝)を築いた人物だ。習氏の守護霊は当時、次のように語った。
「私の本質は皇帝だ。皇帝のなかの皇帝が、私だ」
「世界国家として、私たちも成長したい。かつての大唐帝国や元朝のような世界帝国を建設して、中国の時代が来たということを世界に告げたい」
習氏の守護霊の語った「大中華帝国の野望」は、着実に具体化してきている。
その一方で、日本の国防体制と国防意識は心もとない状況だ。例えば、中国が狙いを定めている尖閣諸島(沖縄県石垣市)の問題。石垣市の市長選は11日に投開票を迎えるが、現職で陸上自衛隊配備の容認派である中山義隆氏が、続投できるか否かも不透明だ。
軌を一にして、NHK大河ドラマで「西郷どん」が放送されている。薩摩藩の第11代藩主で富国強兵を進めた島津斉彬の下で、西郷隆盛や大久保利通らが尊王攘夷運動に奔走した。現在も国防の危機にあるということに気づいた「志士」が声を上げ、地方や国の政治を変えていく必要があるだろう。
(山本泉)
【関連書籍】
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