2014年に香港で起きた雨傘革命の様子。
《本記事のポイント》
- 香港の元雨傘革命リーダー3人が実刑判決を受けた
- 3人は今後5年間、選挙に出馬できなくなる
- 香港こそ、中国の民主化の指南役を果たすべき
「彼ら(中国政府)は抗議の声を黙らせ、議会から私たちを追い出し、拘留することはできる。だが、香港人の心を勝ち取ることはできない」
香港民主化運動「雨傘革命」の元リーダー、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏がこのほど、違法な集会に参加した罪などで、禁固6カ月の実刑判決を受けた。黄氏は弱冠20歳でありながら、雨傘革命を率いた象徴的な人物。冒頭の一文は、判決直後にツイートしたものだ。
彼を含む元リーダー3人に対し、香港の高等裁判所にあたる高等法院は、6~8カ月の実刑判決をそれぞれ下した。その一人である羅冠聰(ネイサン・ロー)氏は、昨年の香港議会選挙で初当選を果たしたが、高等法院によって宣誓が無効にされ、7月に議員資格を失っている。
実刑判決は出馬できないようにするため
香港の条例では、3カ月以上の実刑判決を受けると、その後5年間は議員選挙に立候補できないと定められている。今回、判決を受けた黄氏は、来月立候補できる年齢になるため、選挙に出馬すると見られていた。
米ジョンズ・ホプキンズ大学准教授、孔誥烽(ホオフン・ホン)氏は、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(18日付)のインタビューにこう語る。
「もし黄氏が出馬して簡単に当選し、政府が2016年に多くの候補者の議員資格を取り消したように彼の資格も取り消せば、国際的な事件になるでしょう。ですから政府にとって、彼が初めから出馬する資格を失うようにできるだけ判決を厳しくすることが、理想的な戦略なのです」
つまり今回の判決は、3人の出馬資格を奪うためだったというわけだ。
香港は「一国二制度」で高度な自治が保障されているにもかかわらず、中国政府の意向に沿った判決が下されるようになった。香港の司法の独立性が失われていることが、改めて浮き彫りになった形だ。
香港人は中国人に進むべき方向を教えるべき
現在、中国当局は、より大きな自治権を主張すれば犯罪となる「破壊活動防止法」を成立させるよう、香港に対して圧力を強めているという。それが成立すれば、中国による香港支配に反対する政治家や支持者を抑えることが容易になる。
こうした状況に危機感を覚える香港の人々に対し、大川隆法・幸福の科学総裁は2011年5月、香港での法話の中で次のように述べていた。
「 あなたがたは中国の一部でありながら、中国という大国の先生であり、中国人を教えることができるのです。あなたがたこそ、中国人のリーダーなのです。ですから、私があなたがたに何らかの使命や責任を授けるとしたら、すべての中国人を啓蒙し、中国の未来の方向性を指し示す責任を受け入れていただきたいと思います。それこそ、世界中の人々が歓迎することです 」
まさに今、香港の人々は、自由を求めて中国と戦い続けるのか、それとも香港が中国にのみ込まれるのを受け入れるのか、選択を迫られている。そして取るべき選択肢が前者であるのは間違いない。
(山本泉)
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