10 日付け産経新聞および読売新聞が、米統合参謀本部が8日に発表した「国家軍事戦略」の要旨を伝えている。2004年以来7年ぶりにまとめられたもの。ネット上で公開されている原文も参照しつつ、アジア太平洋地域に関する部分から、日本と中国に関する内容を抜粋で紹介する。

・米軍は今後も数十年にわたり、北東アジアにおける強力な軍事プレゼンスを維持する。

・自衛隊と協力し、日本が自国を防衛する構えを修正する動きに合わせて、日本の国際平和協力活動の能力が向上するよう支援する。

・日本と韓国が安全保障上の結びつきを強め、軍事的協力を高め、地域の安定を保持するよう、今後も両国と協力していく。

・中国の軍事力拡大と、軍拡が台湾海峡における軍事バランスに与える影響を、引き続き注視する。

・中国の軍事力近代化が持つ戦略的意図のほか、宇宙空間、サイバースペース、黄海、東シナ海、南シナ海に関する、中国の断定的な物言い( assertiveness )についても、我々の懸念は消えていない。

アジア太平洋地域部分の結論はこうだ。「合衆国とパートナー諸国の国益を守るため、グローバルな公共財やサイバースペースを危険にさらしたり、同盟国の安全を脅かすようないかなる動きに対しても、我々の意志を示し、必要な措置を取る」

名指しはしていないが、この部分が中国への牽制であるのは明白だ。東アジアの安全保障において今後も日本と協力することを、米国がこうして明言しているのだから、日本も「自分の国は自分で守るのみならず、責任ある大国として地域の安全に貢献する」旨を堂々と表明すべきだろう。(T)

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