ロシア政策をめぐり、アメリカのドナルド・トランプ次期大統領と与党・共和党が対立している。
トランプ氏は、ロシアのプーチン大統領と関係を深め、親ロ派の人物を国務長官に指名するなど、対ロ融和を掲げている。一方、年初に開かれた上院軍事委員会で、共和党重鎮のマケイン上院軍事委員長は、「全国民はロシアの攻撃を警戒すべきだ」と脅威論を訴えた(7日付日経新聞)。
トランプとプーチンは相思相愛?
米ロ両国の間には、昨年11月のアメリカ大統領選に、ロシア政府が介入したか否かという問題がある。
「ロシアがアメリカ大統領選挙に関与していた」という米情報機関の報告を受け、オバマ米大統領は昨年12月末、報復措置を発表。ロシアの情報機関とその幹部などに制裁を課すとともに、アメリカに駐在しているロシア政府の当局者35人に国外退去を命じた。
だが、プーチン氏は、米外交官の追放など"報復措置"を取っていない。自制したのは、まもなくオバマ政権が終わり、トランプ次期政権との関係を重視したためと見られている。
ロシアによる選挙介入説を認めていないトランプ氏は、この対応について、直ちにツイッターで「素晴らしい判断。常々、プーチン氏はとても賢明と思っていた」と賞賛した。
トランプ氏は、次期国務長官に親ロ派といわれるエクソンモービルのレックス・ティラーソン会長兼最高経営責任者(CEO)を指名。ティラーソン氏はロシアの国営石油会社と合弁事業を展開し、ロシアから友好勲章を授与されている。こうした人事をみても、まもなく発足するトランプ政権がロシアとの関係を修復しようとしているのは明らかだ。
日本にとっても米ロの関係修復は望ましい
米ロの接近は、日本の国益の観点からも好ましいと言える。
現在、日本にとって一番の脅威は、軍事拡張を進める中国や北朝鮮であり、日米同盟はもちろんのこと、ロシアとの関係強化が必要だ。同盟国であるアメリカが、ロシアと協調して、中国に対峙するならば、戦略的にこれほど心強いことはないだろう。
トランプ革命の真の意味
大川隆法・幸福の科学総裁は、著書『繁栄への決断』の中で、トランプ政権発足後の米露関係について、次のように述べている。
「 ロシアのプーチン大統領と友好的に接近しようとしている人が考えていることとは何でしょうか。それは、『中国の覇権を止める』ということです。これが、『トランプ革命』の本当の意味なのです。私たちは、これを見逃してはなりません 」
さらに大川総裁は、著書『トランプ新大統領で世界はこう動く』の中でも、次のように述べている。
「 プーチンとトランプの関係は、日中、中ロ、中国と北朝鮮、それぞれの関係に変化をもたらすでしょう 」
「 2017年の1年で、ロシアとアメリカの関係において結論が出ますので、『ISの問題は終わる』というのが私の予測です。ロシアはシリアに影響力を及ぼし、アメリカは再びイラクに影響力を振るい、最終的にISは消え去るでしょう。結論はそういうことです 」
アメリカとロシアの関係改善は、オバマ政権下では考えられなかった「革命」と言えるだろう。2017年は、両国がいかに関係を深め、中国やイスラム諸国、EUにどのように関わっていくのか、注目したい。
(小林真由美)
【関連書籍】
幸福の科学出版 『トランプ新大統領で世界はこう動く』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1767
幸福の科学出版 『繁栄への決断 ~「トランプ革命」と日本の「新しい選択」』 大川隆法著
https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1785
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