中国よりも、日本やアメリカ、東南アジアなどとの外交関係を重視している民進党の蔡英文・新総統。写真:ロイター/アフロ

2016年7月号記事

国防女子が行く!

Part1

東日本大震災の直後に、留学先の台湾の大学構内で記者が見つけた「日本頑張れ!」のメッセージ。

蔡英文・新政権が発足台湾との絆を深めよう

台湾で5月、親日的な民進党政権が発足しました。外交関係はありませんが、さまざまな形で絆を深めてきた日本と台湾。  両国が進むべき未来について考えました。

(編集部 小林真由美)

「地震による被害が最小限にとどまり、日本の友人全員が無事であることを願っています」

熊本地震直後の4月中旬、民進党の蔡英文主席は、いち早くコメントを発表しました。

同党に所属する頼清徳・台南市長は、市民に熊本への支援募金を呼びかけ、自らも1カ月の給与の寄付を表明。台湾全土から、6500万円もの支援金が寄せられました。

受けた恩は絶対に忘れない

2016年に起きた台南地震の後、不眠不休で現場指揮を執った頼市長。写真/中央通訊社

台湾は、2011年の東日本大震災の時も、200億円を超える義援金を送ってくれました。そのほとんどは、街頭での少額の募金を積み上げたものだというので驚きです。

震災時、記者は台湾に留学していました。テレビが伝える被災地の状況は厳しく、不安は募るばかり……。気を紛らわせようと散歩に出かけると、街頭には、募金を集める台湾人の姿が。近くの台湾大学の構内には、花びらで書かれた「日本、頑張れ!」のメッセージがありました。この時感じた台湾人の温かみは、今でも忘れられません。

「なぜ、こんなに日本人に優しいの?」と尋ねると、台湾の人々は、「恩返しだ」と言います。

1999年、台湾中部で大地震が発生した時、どの国よりも早く、日本の救助隊が駆けつけ、昼夜を問わず、懸命な救助活動にあたりました。

また、今年2月に台南で地震が起きた時も、日本政府は直ちに約1億3500万円の支援をしました。

この地震の際、市民のために不眠不休で指揮を執った頼市長は、「日本の迅速な支援と、百通を超える慰問のお手紙に、心から感動しました」と振り返っていました。

この頼市長に、日台の絆について、話をうかがいました。

次ページからのポイント

インタビュー: 頼 清徳氏 / 頼 怡忠氏

日本との強い絆を大切にしたい / 台湾人が中国の"人質"になる恐れがある

台湾人が中国に拉致されています!

日本と台湾の絆がアジアの平和を守ります