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ケリー米国務長官の広島訪問を受け、アメリカの有力紙が次々と、オバマ米大統領の広島訪問を促す社説を掲載している。

ニューヨーク・タイムズ紙は、「広島から核なき世界へ」という社説を掲載した(13日付)。「ケリー氏が地ならしをした以上、オバマ氏が、現職大統領として初めて広島を訪れることを妨げるものはない」と主張。広島訪問の際には、「核兵器なき世界」の実現に向けた具体的な新提案をするよう訴えた。

ワシントン・ポスト紙は「広島の教訓と遺産」という題の社説を掲載(16日付)。「オバマ大統領は、謝罪のためでなく、核兵器が使われることのない平和な70年を今後も続けるため、広島を訪れるべき」と主張した。また、「原爆投下の是非に踏み込む必要はない」とも指摘した。

リベラルなニューヨーク・タイムズ紙も、保守的なワシントン・ポスト紙も、オバマ大統領の広島訪問を促したが、謝罪の必要はないとしている。

「謝罪すべき」という記事も

一方、米ニューヨーク市の主要なタブロイド紙であるニューヨーク・デイリー・ニュース電子版には、オバマ大統領に「原爆投下の謝罪」を求める記事が掲載された(14日付)。記事の中で、「広島と長崎への原爆投下によって、25万人の人が亡くなった。彼らの大部分は一般人だった。オバマ大統領に、『原爆投下は間違っていました。アメリカ国民の代わりに言います、「申し訳ありませんでした」』と言ってもらいたい」と主張した。

オバマ大統領は、5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に合わせて、広島訪問を検討している。国内の世論を見極めながら、訪問を判断すると見られる。

核廃絶は、北朝鮮や中国に対して求めるべき

大川隆法総裁は、4月17日、京都県宇治市で「歴史の先駆者となるために」という題の講演会を行った。その中で、核兵器について次のように指摘した。

国務長官などが広島を見学して、『こういうことが二度と起きませんように』と言いましたが、主語がないんですよね。主語が『日本人』なのか、『原爆を落とすこと』なのか『核兵器を持っている国が』なのか、さっぱり分からない。 (中略)

『核兵器廃絶』は、日本に対してでなくて、核兵器を持っている国に対して、訴えてください。核兵器を持っている国が廃絶するべきです。中国や北朝鮮に対して『持つな! 捨てろ!』と言ってください。それができないならば、対抗できる手段を考えないと、国民の安全は守れません

恐らく、アメリカの有力紙がオバマ大統領の広島訪問を促すのも、アメリカ国民の中に、原爆投下の罪の意識が芽生えているからだろう。そろそろアメリカ政府は、その罪を認めて謝罪すべきだ。その上で、中国や北朝鮮に核兵器の廃絶を訴えるのが筋と言える。

(山本泉)

【関連書籍】

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