北朝鮮の朝鮮中央通信が22日、米中首脳会談を初めて報じ、米中が「南北関係改善の重要性を強調し、南北対話を呼びかけた」とした。韓国に対し6カ国協議の再開を促す狙いがあると見られる。

実際には19日の米中首脳会談で、両首脳は北朝鮮のウラン濃縮計画への懸念を表明し、胡錦濤主席は中国首脳として初めて公式に同計画への否定的見解を示した。さらにオバマ大統領は北朝鮮が「自らの過去の約束と国際的な義務に違反している」と明確に批判している。

しかし朝鮮中央通信はこれらに触れず、6カ国協議の早期再開に向け必要な措置を求める共同声明が発表されたことのみを強調。難しい判断を迫られているのが韓国で、これまで6カ国協議の再開には「北朝鮮の誠意ある態度と具体的行動が必要」としてきたが、北朝鮮の出方によっては態度を軟化させざるを得なくなっている。

北朝鮮は20日、韓国に対し高位級軍事会談を提案し、同会談で昨年の韓国哨戒艦沈没事件と延坪島砲撃事件について見解を示すとした。韓国は北朝鮮が謝罪すれば、6カ国協議主席代表による緊急会合を受け入れるとしている。

米韓が中国や北朝鮮にどれだけ圧力をかけ、謝罪や核開発停止などの譲歩を引き出せるか。日本も米韓と協力して役割を果たしたいところだ。(由)

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