北朝鮮の暴走が止まらない。

北朝鮮は10日、南西部の黄海北道(ファンへプクト)付近から日本海に向かって、短距離弾道ミサイル2発を発射した。これは、7日から韓国で行われている、過去最大規模の米韓合同軍事演習に対するけん制である可能性が高い。

ミサイル発射に先立ち、北朝鮮の国営メディアである朝鮮中央通信は9日、金正恩第1書記が「核弾頭を軽量化し、弾道ミサイルに合わせた標準化、規格化を実現した。これは真の核抑止力」と語ったと報じた。朝鮮中央通信が、金書記の発言として、核の小型化実現を伝えるのは初めてだ。

一方、米韓は、北朝鮮は核の小型化技術を進歩させているものの、ミサイルに搭載するまで小型化する能力はまだないとしている。

軍事演習を通じて、北朝鮮に対する警戒感を強めている米韓だが、核の小型化成功については疑いを持っているようだ。

ただ、今回の金書記の発言を軽く見るべきではないだろう。日本は米韓と軍事面で連携を取りつつ、自主防衛体制を整える必要がある。なぜなら、北朝鮮が本当に核を使う可能性があるからだ。

日米の識者らが語る北朝鮮の軍事的脅威

米海軍大将のウィリアム・ゴートニー氏は昨年10月、米シンクタンクで「北朝鮮は、米本土に届くミサイルに乗せる小型化した核弾頭や兵器をつくる能力を持っている」と述べている。

また、国連の安全保障理事会の北朝鮮に対する制裁決議の採択に際して、サマンサ・パワー米国連大使は、「北朝鮮は核実験や弾道ミサイル技術を使った打ち上げを行うたびに、周辺地域のみならず離れた大陸も弾道ミサイルで攻撃できる能力を高めている」と、米本土を示唆する表現で懸念を示している(3日付CNN日本語版)。

米ハドソン研究所首席研究員を務め、北朝鮮問題に詳しい日高義樹氏も、警鐘を鳴らす。同氏は本誌3月号のインタビューで、「(北朝鮮は)核によって脅しをかけ、朝鮮半島の統一を考えています。(中略)実際に戦争状態になった場合、北は核兵器を使わなければ勝ち目はありません」と、北朝鮮が核兵器を使う可能性は高いと指摘している。

「アメリカ、イギリスなどみんな射程距離に入った」

スピリチュアルな方法でも金書記の本心が探られている。

大川隆法・幸福の科学総裁は、北朝鮮が水爆実験に成功したと発表した翌日の1月7日、金書記の守護霊を招霊し、霊言を収録した。

その中で、金書記の守護霊は、「(核の小型化に)成功したんだ」「(小型化した核を搭載した)ロケットが飛ばせるなら、アメリカだって、イギリスだって、フランスだってさあ、ロシアだって……、まあ日本や韓国なんかは言うまでもないことだけども、みんな射程距離に入ったな」と、核の小型化の成功とその矛先について語っている。

朝鮮半島で緊迫した情勢が続く中、最悪の事態を想定し、それに備えるためにも、国防体制の強化は待ったなしだ。北朝鮮に核兵器を使わせないためにも、日本は核武装を真剣に検討する時が来ている。

(冨野勝寛)

【関連書籍】

幸福の科学出版 『北朝鮮・金正恩はなぜ「水爆実験」をしたのか』 大川隆法著

https://www.irhpress.co.jp/products/detail.php?product_id=1612

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