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朝日新聞東京本社報道局が18日未明、外務省に対して、不服を申し入れたことを、19日付朝日新聞が報じた。
ことの発端は、16日にスイス・ジュネーブで開かれた国連女性差別撤廃委員会での、外務省 杉山晋輔 外務審議官の慰安婦問題についての発言だ。
杉山氏は、慰安婦問題を捏造した吉田清治氏の本の内容が、「朝日新聞社により事実であるかのように大きく報道され、日本、韓国の世論のみならず、国際社会にも大きな影響を与えた」と述べた。
朝日は慰安婦問題に影響を与えてない!?
この外務省の杉山氏の発言に対して、朝日新聞は何を申し入れしたのか。朝日新聞の記事を一部抜粋してみる。
<以下抜粋>
(朝日新聞の)申入書では、国際的な影響について、朝日新聞の慰安婦報道を検証した第三者委員会でも見解が分かれ、報告書では、「韓国の慰安婦問題批判を過激化させた」「吉田氏に関する『誤報』が韓国メディアに大きな影響を及ぼしたとは言えない」など意見が併記されたと説明。国際社会に大きな影響があったとする杉山氏の発言には根拠が示されなかったと指摘した。
<以上>
つまりは、朝日新聞は慰安婦問題を捏造した吉田清治氏の記事を書いたが、慰安婦問題を過熱させたのは朝日新聞ではないと主張したいようだ。
慰安婦問題を過熱させた朝日新聞
しかし、国際社会に影響を与え、慰安婦問題を過熱させたのは、歴史的に見ても間違いなく朝日新聞だ。
「慰安婦問題」という言葉は、1982年まで存在しなかった。1983年に吉田清治氏の慰安婦捏造本が発刊された。そして、1989年に韓国でも翻訳出版されたが、この時は、韓国の女性新聞記者が現地取材をして、吉田氏の証言は全くのデタラメであることが記事に出たくらい“非常識"な話だった。
しかし、朝日新聞は、1991年から翌年にかけて、吉田清治氏の慰安婦捏造本の内容を裏取りすることもなく、従軍慰安婦が存在したという虚構を4回にわたり報道した。そして翌年の1992年、1月に加藤紘一官房長官(当時)が訪韓の際、「お詫びと反省」を発表し、4日後に訪韓した宮澤喜一首相(当時)も、8回も韓国大統領に謝罪した。この後、1993年に「河野談話」が発表され、中韓が歴史を外交カードに積極的に使うようになった。
マスコミとしての責任を問う
この経緯を見れば、慰安婦問題を巡る議論は、朝日新聞の誤報もしくは捏造記事により始まったことは明らかだ。
朝日新聞は、2014年8月に、一連の慰安婦問題の記事の事実関係の誤りを認め、正式に読者に謝罪した。
しかし、今回の外務省への申し入れを見ると、あたかも「私たちには責任がありません」と言っているかのようだ。
せっかく潔く誤りを認めたのに、これでは日本を代表する新聞社である朝日の名がすたる。やはり、自らの影響力を認め、責任をとってほしい。日本人に汚名を被せた罪は重い。
(HS政経塾 水野善丈)
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