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北海道新幹線の新青森―新函館北斗間が3月26日に開業する。

国内の移動時間をさらに短くし、日本全国をくまなく結ぶ動きが今後も続いていく。同じく北海道新幹線の新函館北斗―札幌間は2030年度、北陸新幹線の金沢―敦賀間は2022年度に開業予定であり、長崎新幹線の武雄温泉―長崎間も2022年頃の開業を目指しているなど、複数の路線計画が開通に向けて進行中だ。さらに、北陸新幹線の敦賀―大阪間も5月には候補ルートが絞り込まれる。

1月25日には四国を経由して大阪市と大分市を結ぶ四国新幹線の開通を目指すシンポジウムが開催されている。事実上計画が凍結されている四国新幹線だが、この初会合には約400人が出席した。さらに、新幹線さくらの鹿児島ルートとつないで九州を一周する東九州ルートの開通を目指す「東九州新幹線鉄道建設促進期成会」は、新幹線開通のための調査を進めている。

交通革命は経済発展のきっかけになる

経済学者のシュンペーターは、「馬車から鉄道へのイノベーション」が近代市民社会を生み出したと指摘している。昭和30年代には小回りのきかない鉄道の高速化は時代錯誤だという批判もあった新幹線だが、今では日本の高度経済成長期のシンボルの一つだ。

大きな効果をもたらした北陸新幹線

昨年3月に開業した北陸新幹線は、石川、富山両県に予想以上の活況をもたらした。開業から半年間の利用客数は、前年同期の在来線特急利用客数と比べ約3倍増だった。石川県の兼六園の入園者数は、新幹線開業日から8月13日までの前年同期比で1.4倍の集客力を見せた。宿泊施設も好調な予約状況で、外国人観光客も非常に増えているという。また富山県の立山黒部アルペンルートの4~7月の入り込み客数は前年同期比5.6%増加。宇奈月温泉の4~8月の利用客も同39%増だった。

さらなる交通革命で、魅力的な日本のPRを

互いの地域がより身近になり、物流速度と人の移動速度等が上がると、仕事もスピードアップする。新幹線空白地帯である北海道や四国などが他の経済圏と結ばれるようになれば、今までになかった経済的恩恵を日本全体にもたらす可能性が高い。

新幹線以上のスピードで走るリニア新幹線については、1月27日に品川駅のホーム工事の起工式が行われた。JR東海の柘植社長は同駅について「世界有数の交通の結節点、ビジネスの大拠点になる」と語った。リニア新幹線東京―大阪間が開業すると、移動時間短縮による出張等の効率化で生産コストが下がり、世帯の消費が拡大することで見込まれる生産額の上昇は1年あたり8,700億円に換算されると試算されている。

訪日観光客が増加しており、2020年にはオリンピック開催も予定されている日本にとって、新幹線開通で国内移動がスムーズになることは、海外からの観光客への強いPRになるだろう。地方に観光客を呼び寄せるためにも交通の利便性は重要だ。日本各地で交通革命が実現し、より活発でより魅力的な日本になっていくことが楽しみだ。

(HS政経塾 表奈就子)

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