北陸新幹線が14日、長野新幹線を延伸する形で、金沢―長野間で開業した。この開業によって金沢から東京までの移動時間が1時間20分ほど短縮され、都心や北陸地方へのアクセスが格段に向上する。
始発時間に合わせて、北陸や東京などで記念式典が行われた。JR東京駅の新幹線ホームで開催された出発式では、JR東日本の冨田哲郎社長が「新幹線開業を起爆剤に日本を元気にしていきたい」とあいさつし、北陸新幹線の門出の日が祝われた。
企業立地が投資を呼びこむ
北陸新幹線の開業は、北陸地方にとって朗報だ。
観光目的で北陸を訪れる人が増えるのは容易に予想される他、ビジネスマンにとっても持ち時間が増え、都心からの出張もしやすくなる。ビジネスを通じて北陸と都心の結びつきが強まると、北陸への企業立地が進み、地域間の交流人口が拡大。駅前を中心に投資が進めば、都市機能が充実し、それがまた新たな投資を呼びこむといったサイクルが確立され、地方活性化につながっていく。
「無用の長物」が経済発展の原動力に
ただ、北陸新幹線は、東海道新幹線が開業したわずか1年後の1965年の時点ですでに構想されていたものだ。新幹線がもたらす経済効果を考えると、今回の開業はあまりにも遅い。
新幹線はかつて、ピラミッド、万里の長城、戦艦大和の「世界三大馬鹿」と並ぶ無用の長物と批判されてきた。しかし東海道新幹線開業後、短縮された移動時間を基に試算した経済効果によると、年間で2500億円の富が生み出されたという(2014年9月16日付ダイヤモンドオンライン)。東海道新幹線の総工費3800億円の元は、2年間で十分にとれたということだ。
リニア新幹線で世界最大の経済都市圏が誕生
品川―名古屋間のリニア新幹線の開業も待たれる。リニア新幹線が開業し、大阪まで延伸されれば、東京・大阪・名古屋といった大都市圏を1~2時間内で移動することができ、いまだかつてない世界最大の経済都市圏が誕生する
北陸新幹線の他にも、北海道新幹線など工事が着手されている路線はあるものの、開業に向けた歩みは遅い。この背景には、新幹線開業がもたらす国益に対する政府の認識の甘さや、大きな構想を実現させていく気概の無さがあったのではないか。
2020年には東京オリンピックが開催され、世界中から多くの人が日本を訪れる。政府はこの追い風を最大限に生かし、交通革命で日本の未来を切り開いていくべきだ。(冨)
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