2016年、北の大地が熱い。

北海道は2016年度から、新・北海道総合計画に、航空・宇宙分野の研究開発や実証実験の誘致活動を盛り込む方針を決めた。北海道新聞がこのほど報じた。

新・北海道総合計画とは、2008年から約10年間、道政の運営指針を示したもの。今後、必要と判断されれば、鹿児島県の種子島宇宙センターや内之浦宇宙空間観測所に続く、国内3カ所目の基地が、道内に建設される可能性が出てくるという。

実は民間主導の宇宙開発が盛ん

北海道で「宇宙開発」と聞いても、ピンとこない方が多いかもしれないが、実は今に始まったことではない。

2006年、北海道の産学協同で制作した初の人工衛星「HIT-SAT」が打ち上げられ、民間でも人工衛星の開発ができることを示した。北海道大学やリアル「下町ロケット」と言われる植松電機は、小型・低コストを特徴とする「CAMUI」ロケットの研究開発を行っており、注目を集めている。

ロケットや人工衛星の打ち上げだけではない。

北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC)は、道内の大樹町にある多目的航空公園の滑走路を延長して、航空機や宇宙機の試験飛行が可能なスペースポート(宇宙港)を建設する構想を進める。

今後、宇宙関連事業が次々と立ち上がっていけば、北海道が民間の宇宙開発のけん引役になることは十分に考えられる。

新幹線の開業による経済効果は年間136億円

北海道新幹線(新青森-新函館北斗間)も、開業まで3カ月を切っている。新幹線が開通すれば、従来より移動時間が短くなり、人やモノの移動量が増え、大きな経済効果が生まれる。

特に、昨年3月に開業した北陸新幹線は、識者の予想を上回る経済効果をもたらしている。

開業半年で利用者は482万人。これは前年同期の在来線特急の乗車数の約3倍だ。終点である石川県では、有名観光スポットである「金沢城公園」と「兼六園」の入園者数が約2倍増えたという。

北海道新幹線開業による経済効果は、年間136億円に上ると予想されている。新産業を誘致し、人やモノの行き来を活発にする北海道の取り組みは、地域活性化の一つのモデルとなる。

ロシアとの関係強化の起点

さらに北海道は、ロシアとの関係を強化する上でも重要だ。

このほど、「水爆実験」の成功を発表した北朝鮮、軍事拡張路線をひた走る中国など、日本を取り巻く軍事的な緊張はかつてないほどに高まっている。アメリカが「世界の警察官」の役割を放棄し始めた今、安全保障や経済の面で日露関係を強めることは、2カ国に対する大きな抑止力となる。

北方領土の問題は一度脇に置いてでも、日本はロシアとの協商関係を築き、天然ガスのパイプラインを引くなどして、北海道を起点に、緊密な関係を築くべきだ。

道産子たちのフロンティア精神が、北海道、そして、日本の未来を切り拓いていくことを願いたい。

(冨野勝寛)

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